「正確にわかるまで待つ」と揺れに間に合わない

そもそも緊急地震速報は、地震が起きる前に発生を予知する仕組みではない。すでに発生した地震を検知し、強い揺れが到達する前に、その危険を知らせる情報だ。

基本となる手法では、先に伝わる速い地震波「P波」を地震計で捉え、そのデータから震源や規模、各地の揺れを計算する。後から伝わる、より強い揺れをもたらす「S波」に、情報を先回りさせる。こうした処理は自動で行われる。

難しいのは、発生直後に使える観測データが少ないことだ。十分なデータが集まるまで待てば判断材料は増えるが、その間にも地震波は進んでしまう。速報から強い揺れの到達までは、一般に数秒から数十秒程度しかない。「早く知らせること」と「正確に判断すること」を両立させなければならない。

実際に出された速報
実際に出された速報

予測が大きくずれる要因には、いくつかの種類がある。まず、観測網から遠い地震では、震源や規模の推定に大きな誤差が生じる可能性がある。深い場所で起きる地震も、地震波の伝わり方などの影響で、揺れを正確に予測することが難しい。

また、時間的・距離的に近接して複数の地震が起きると、別々の地震を一つの大きな地震として扱ってしまう場合がある。さらに、落雷や機器障害など、地震ではない信号を拾うこともある。一般向けの「警報」を、2か所以上の観測点で地震波を捉えた場合に発表するのは、単独の観測点の異常による誤報を減らすためだ。

いずれにせよ、システムや仕組み上、誤報をゼロにするのは難しいというわけだ。