「人がいないのに住んでいることにされた世帯の調査票も」
「20年前までさかのぼって検証しなければならない問題だと思います」
そう肩を落とすのは市関係者X氏だ。問題になっているのは昨年の国勢調査に絡む人口の改ざん容疑だが、過去の人口のデータも疑わしいとの声が出ているためだ。
「昨年9~10月に行なわれた国勢調査で総務省は今年5月、富山市の人口を40万2133人とする速報値を公表しました。しかしその後、調査票の中で居住実態なしとして「調査世帯一覧」に引かれた二重線を後から消したものが多数見つかり、総務省は9月4日から富山市を訪れ調査に入りました。
結局9月29日公表の確定値で市の人口は39万9197人となりました。総務省はその差の2936人分が水増しされたとみて、同じ日に統計法違反容疑で氏名不詳の市職員を富山県警に刑事告発しています」(地元記者)
市は10月2日、国勢調査を管理した企画管理部部長のA氏(59)と次長のB氏(55)を5日付で他部署に異動させる人事を発表した。藤井裕久市長はこの2人や副市長、さらに自身が「部下に指示したことはない」と地元記者団に答えた。しかし水増しされた数が多く、人がいないのに住んでいることにされた世帯の調査票も勝手に作られていたことから、市職員による組織的な改ざんが行なわれた疑いが出ている。
5年に1度の国勢調査は地方交付税の配分や選挙区割りの基礎データになる重要なもので、統計法は作成従事者が内容を偽った場合6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金を科すなどと定めている。
実際に愛知県東浦町は2010年の国勢調査で人口を水増しし、13年に前副町長が逮捕され有罪判決を受けている。当時人口が4万人台だった町を、人口5万人が要件の市制に移行しようとしたことが動機とみられている。













