過酷な入院生活を支えた激励の数々

がんを公表した翌日、人生初の入院生活に入ると、同じがん患者たちが歓談スペースでささやかな歓迎会を開いてくれた。

「コロナ禍でひとりで入院することになったんで寂しかったんですけど、歓迎会で緊張がほぐれたというか、すごく勇気づけられました」

治療が始まり放射線と抗がん剤の副作用が容赦なく襲いかかるが、ここでも人との縁と笑いの力がワッキーさんを後押しする。

「なんで僕はがんになったのか、なんでここにやってきたのかと考えた時に、お笑い芸人としてこの病棟を明るくするために来たんだと、ポジティブにマインドチェンジできました。それから他の患者さんに積極的に話しかけたり、笑わせたり……みんな一緒にがんと闘う仲間ですからね」
「なんで僕はがんになったのか、なんでここにやってきたのかと考えた時に、お笑い芸人としてこの病棟を明るくするために来たんだと、ポジティブにマインドチェンジできました。それから他の患者さんに積極的に話しかけたり、笑わせたり……みんな一緒にがんと闘う仲間ですからね」

「1回目の抗がん剤で味覚がおかしくなり、2回目の抗がん剤でとても体がしんどくなって“もう無理だ”とネガティブになってたんです。そんな時に出会ったのが同じ病棟で入院していた20歳のカイシュウくんでした。サッカーをやっていた彼は脚に腫瘍を患っていましたが、『絶対にピッチに戻るんで、そしたらワッキーさん、観に来てくださいね!』と気丈に言っていて、47歳のおっさんがこんなことでなに挫けてんだと。

3回目の抗がん剤も想像を絶する気持ち悪さだったんですが、もうくん(もう中学生)が電話で即興でつくった歌を披露して笑わせてくれるんです。どんなに気持ち悪くてもその時だけは苦しさを忘れられた。僕がやってるお笑いの力ってスゲーな、笑いってがんにも勝つんだなって」

さらに、青春時代に情熱を注いだサッカー界からの応援にも大いに励まされた。

入院時の激励の数々を思い出し感極まるワッキー。「最近涙もろくてね…」
入院時の激励の数々を思い出し感極まるワッキー。「最近涙もろくてね…」

「僕が一番仲良いJリーガー(当時)の槙野智章の声がけで、Jのチーム20チームくらいがグループショットでつないだ応援メッセージ動画をつくってくれたんです。トップバッターがキングカズさん(三浦知良)で最後はイニエスタ。豪華すぎるメンツでしょ? まぁイニエスタは僕のこと“ジャッキーさん”って名前を間違えて呼んでたけど(笑)。

それと、母校の市船と永遠のライバル校である流経大柏の現役サッカー部員たちがユニフォームに寄せ書きを書いて送ってもくれました。こういう贈り物にどれだけ勇気づけられたかわかりません」