兄の闘病をグラドルが発信するワケ
──さらに誹謗中傷でなくても、さまざまな魂胆で連絡をしてくる人がいそうですよね。
それも実際にいましたね。たとえば、「◯◯を入れたお風呂につかると、がんは治ります」というメッセージがきました。それから、「◯◯というお寺で住職をしているのでよろしければ」というような宗教の勧誘もありました。おそらく西洋医学を信じていない人から「◯◯治療は絶対にしてはいけません」という主張が届いたこともあります。
──まことしやかに言われると、頭が混乱しませんか。
それはあります。たとえば医師を名乗る方から、「自由診療の内容になりますが」ということで一般にあまり知られていない治療法のご案内をいただくこともあります。調べても確かに医師免許をお持ちの方のようでしたので、心が揺れますよね。やはり家族としては、少しでも望みがあるならすがりたいと思いますから。
私がSNSで発信するのは、芸能活動を続けてきた私にほんの少しの知名度があるなら、何かいい治療法につながれば……という意図もあります。そして、同じように苦しむ人々に対しても、紹介できればいいなと感じているところです。
※国立がん研究センターは、科学的根拠が確認されていない民間療法や自由診療について、治療効果や安全性を慎重に確認し、担当医やがん相談支援センターなどに相談するよう呼びかけています。
──仲のいいお兄さんのためという一心での投稿だったわけですね。
そうですね。1番上、2番目の兄は、年齢が10歳近く離れていて、私が物心ついたときにはすでに大人でした。だから私にとっては3番目の兄が“頼れるお兄ちゃん”だったんですよね。
そんな兄が、セカンドオピニオンで私と一緒に訪れた病院で「治療をして、だいたい余命は半年から1年でしょう」と医師から言われたときのことは、忘れられません。かなり落ち込んだ様子で、でもしばらくして吹っ切れたような素振りを見せました。
そして「半年くらいかー、何しよう。わかるか? 結構つらいんだぞ」と私に言ったんです。私はきょうだい間のキャラ的にも、気の利いた言葉で慰めたりできなくて、「大丈夫っしょ、いけるっしょ」みたいなことしか言えませんでした。
──小林さんは、これからお兄さんにどうなってほしいですか。
もちろん快復してほしいと願っています。ただ、精神的にも非常につらい状況にあると思います。今はインドネシアにいる奥さんと子どもに早く会えるようになって、そして可能なら、自分の気持ちを打ち明けるためにSNSなどで発信したらいいのではないかと思っています。
これまで社会人として、多くの部下たちから慕われてきた兄ですから、同じような状況にある人たちと繋がることによって、目的を失わずに生きることができるのかなと。兄は、私にとってそんな男性なんですよね。
取材・文/黒島暁生 写真提供/小林マイカ













