水分補給ができず、脱水症状に

水分枯渇は、単なる「のどの渇き」にとどまらず、時に深刻な健康被害を引き起こす。SNS上では、水分を取れない状態が続いた後、その日に脳梗塞を発症したという体験談も寄せられている。

《近鉄が遅延したため、京都駅で新幹線に慌てて駆け込み乗車しました。東京駅に着くまで一滴も水を飲めない状態が続いたのですが、その日に脳梗塞を起こしてしまった。東京駅で下車してしばらくすると、左手が急に痺れて、物が掴めなくなっていました》

もちろん脳梗塞との因果関係は不明だが、新幹線で水分を確保出来なかったことは脳梗塞のリスク要因のひとつである。一方で、脱水症状に陥ったというポストも。

《出張で新幹線に乗る際、発車時刻に間に合わせるために寝起きから飲まず食わずで駅まで走り、そのまま乗車した。結果、車内でひどい脱水症状に陥ってしまった》

総務省消防庁の発表によると、昨年5月から9月までの期間に熱中症で救急搬送された人は、全国で10万510人にのぼる。調査を開始した2008年以降で初めて10万人を超え、過去最多となった。深刻な猛暑が続く現代の日本において、新幹線移動中の水分確保は、もはや嗜好品ではなく、健康に直結する問題だろう。

昨今の猛暑で熱中症になる人が増加(写真/shutterstock)
昨今の猛暑で熱中症になる人が増加(写真/shutterstock)
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さらに事態を複雑にしているのが、昨今多発する集中豪雨や台風による「予期せぬ運転見合わせ」である。

大阪府在住のBさん(女性)は、東京旅行の帰路、台風の影響で新幹線が静岡付近で一時停車するというトラブルに遭遇した。

「旅行の帰りに、静岡のあたりで新幹線がしばらく停まってしまったんです。そのとき私はペットボトルや水筒などの飲み物を一切持っていませんでした。もともと車内のトイレに行きたくなくて、乗車前から意図的に水分を控えていたんです」

幸いにも、この時の停車時間は比較的短く、深刻な体調不良には至らなかったという。しかし、Bさんは強い教訓を得たという。

「今回は運よく耐えられましたが、もし何時間も缶詰め状態になっていたらと思うとゾッとします。次に乗るときは、どんなに短時間でも絶対に水を持参しようと心に決めました」

そもそも、なぜここまで車内での水分確保が困難になってしまったのか。歴史をひもとくと、JR各社が推進してきた「合理化」が見えてくる。