変なところがバカ正直
――今回の写真集発売に際し、Instagramでは「元グラドル感、露出感、エロ感、をご想像されるかたには購入をおすすめしません」とはっきりと打ち出しました。どういった意図がありましたか。
私を昔から応援してくださるファンの方々は、私が「グラビアを辞めます」と宣言した時から「頑張んな! きっと良い女優になれるよ!」などと応援してくださいました。他にも文筆家として本を出版するとなった時も「いいじゃん! これからも面白いと感じたことをやりなよ」みたいに、背中を押してくださる方が多かった。
「グラビアを辞めるだなんて生意気」みたいな、ネガティブな意見を持たずに、私自身の進化を応援してくださったんです。少なくとも私の周囲では、当時としては珍しいほど前向きな反応だったように感じます。
その一方で、俗に言うグラビア感みたいなものを私に求めていた方も一定数はいたと思います。そういった方が今回の写真集を買ってくださった時、「水着少なくない?」とか「アップが少なくない?」などの感想を持つと思いました。
45歳の私に胸の谷間やグラビア感を求める人もなかなかいないかと思いますが、もしそういったものを期待されているのなら、価格も4000円近くしますし、期待に沿える作品ではないことを先にお伝えしたかったんです。
――世の中には期待感を高めて商売をする方もいますが、酒井さんはとても親切ですね。
親切なんですかね(笑)。変なところがバカ正直というか、商売下手なんです。ただ私の中で“本当に手に取ってほしい”と思う方は、これまでの私の活動を面白がってくれた人たち。“その方々だけに届けばいい”という気持ちで今作を出すことにしました。
健康にはお互い気をつけようね
――芸能生活30周年の酒井さんの表現を受け取って、応援してきたファンの方々に改めて伝えたいことがあればお願いします。
この取材を受ける前に、写真集のお渡し会を開催しましたが、「27年ぶりに会いに来ました」と声を声をかけてくださった方がいたんですね。それを聞いて「ちょっとこれまでと桁が違う」と思ったというか(笑)。仮に3年ぶりでも「久しぶり!」となるのに、「27年ぶりって何?」と感じました。
私はその言葉に感動しちゃったんです。グッとくるものがありました。昔から馴染みのファンの方が、もうすっかり白髪交じりになっていたり、それこそ私のファン同士で結婚してお子さんが生まれたご家族も来てくださいました。「9歳になりました」と言いながら、家族3人で駆けつけてくださったんですよ。ファンの方を通じて、歴史を感じられたことがたまらなくうれしかったんです。長く続けてきて良かったなって(笑)。
――良い話ですね。
とんでもないギフトをいただいた気持ちでした。
この30年の苦労……別に特別、苦労話をしたいわけではないですけど(笑)、当然苦労したこともあって、もちろんファンの方々にもいろんなことが起こったと思います。
子どもが生まれたり、当時、学生だった人がもしかしたら仕事を失ったり…みんなの人生の立ち位置がちょっとずつ変わって、同じように30年という歴史を刻んだわけですよね。そんな中で今日という日を迎えられた、この感慨深さは、どんな映画の賞とか、俳優としての栄誉よりも大きなものだったんじゃないかなと思いました。
もっとみんなと話したかった気持ちもありますけど、“お互い生きていればまた会えるよね”という感じで、イベントは終わりました。だから伝えたいことと言えば……もう本当に足腰痛いけれどお互い頑張ろうねってことです(笑)。
――酒井さんも痛いんですか?
足腰、痛いですよ(笑)。もう本当に健康第一。健康だけにはお互い気を付けようね、ってことを1番に伝えたいです。
後編へつづく
取材・文/中山洋平 撮影/藤木裕之












