「なぜか私たちがいた場所だけに空間が残った」家族3人が倒壊家屋から脱出

薬師堂右斜め前に位置する自宅部分も、屋根が家を押し潰して乗っかっているように見える。有田さんが地震発生の状況を説明してくれた。

倒壊した有田さんが住んでいた家屋(撮影/集英社オンライン)
倒壊した有田さんが住んでいた家屋(撮影/集英社オンライン)

「この潰れた部分に空間が見えると思うんですけど、地震があった時はここで妻と娘と過ごしていました。居間にあたる部分です。午後4時半くらいでしたかね。いきなりガタガタガタと揺れ始め、縦にも横にも揺れだしたので『危ないよ』と二人に声をかけた途端にミシミシミシ、ブワーって感じで家が横に傾いて、ガシャンと屋根が落ちてきたんです。

屋根が落ちてきてこの有様で、ここの空間に私は座っているような状態で、妻と娘は倒れていたけど『大丈夫ばい』と話をする余裕もありました。そうこうしていると近所の人が見に来てくれて『大丈夫ですかー?』って声をかけてくれて。それで物をちょっとどかして、そこから私も妻と娘と一緒に出てきました。

中には10分くらいいたんですかね。なぜか私たちのいたあたりだけが支えられていたというか。誰も大けがをしなかったというのは、不幸中の幸いです」

このスペースから脱出したという(撮影/集英社オンライン)
このスペースから脱出したという(撮影/集英社オンライン)

九死に一生を得た体験だったはずなのだが、有田さんは時折笑みを浮かべながら当時の状況を振り返った。やはり目を細めながらのんびりした内容の話でもするかのように恐怖体験を語る。怪我はなかったかと尋ねる。

「妻も娘も怪我もなく、私も腕にあざができていたのと足に少し傷ができたくらいで。多分上から降ってきた物に当たったのか、柱に当たったのか、もうそこだけは記憶にないんです」