「バルセロナをめざせ!の巻」(ジャンプ・コミックス62巻収録)

今回は、両さんがオリンピック強化選手になるお話をお届けする。

事の発端は、人並み外れた体力と身体能力を買われて、署の運動会でさまざまな競技への出場を請われたときのこと。昇進や始末書の帳消しを条件に渋々出場した両さんだったが、抜群の戦果を上げる。その結果、警察上層部の眼鏡にかない、警視庁が送り出すオリンピック選手の候補生としての日々がはじまるのだ。

警察官の採用試験では、スポーツで全国区大会レベルの出場歴があったり、柔道や剣道の段位を持っていたりすると、資格加点されて採用に優位な評価が得られるが……。本作のように、警察の評判を上げるために、昇進を餌に上司が部下に競技への出場を薦めるなんてことは、現実でもありそうだ。

もっとも両さんの場合は、昇進や始末書の取り消しが条件ではなく、「出なかったらクビ!」「優勝しなかったらクビ!!」なんていう、パワハラ全開の命令をされることも多い。

それに、明日以降にお届けしていく「夜勤パニックの巻」(ジャンプ・コミックス63巻収録)や「祝い隊・出動!!の巻」(ジャンプ・コミックス116巻収録)、「デジタルなんて大嫌い!!の巻」(ジャンプ・コミックス154巻収録)における両さんの始末書通算枚数を鑑みると、わずかな数の始末書を帳消しにしたところで……と言いたくなる。はたして何枚になっているのかは、実際に読んでお確かめいただきたい。

ちなみに本作が描かれたのは、韓国でソウルオリンピックが開催された1998年。エピソードタイトル中の「バルセロナ」とは、1992年にオリンピックが開催されるスペインの都市を指している。

それでは次のページから、両さんがオリンピック強化選手への道を歩む!? お話をお楽しみください!!