「お犬様の巻」(ジャンプ・コミックス4巻収録)

今回は、両さんが始末書を書かされているシーンが登場するお話をお届けする。

……というか、本作は、初期『こち亀』の名脇役である「犬」が初登場するエピソードでもある。

「犬」は、野良犬ならではのしたたかさを発揮して両さんを出し抜いてやり込める、バイタリティーあふれるキャラクターだ。登場を重ねるうち、次第に両さんとは名コンビになっていく。そんな「犬」の活躍ぶりを、たっぷりと楽しんでほしい。

ところで警察における始末書とは、軽犯罪を犯した人が、再発防止と防犯対策のために書かされる反省文的なものを指すことが多いだろう。

両さんが書いている始末書は、警察官自身が犯したミスや違反の事実関係を自ら明らかにしつつ、反省・謝罪の意志を込めて作成するもの。会社員が業務上の失敗をした際に書く書類と同様だ。

なお本作をお読みいただくとわかるが、両さんは始末書を縦書きにもかかわらず、用紙の左端から綴りはじめている。派出所勤務をしている限り、毎日の勤務記録を書いているはずだが……!? 

ほかにも、さんざん書き慣れているはずなのに始末書の「始末」を漢字で書けないなど、突っ込みどころはいくつもあるのだが、いずれにしても書類を見た部長がブチ切れるのは間違いない。

それでは次のページから、『こち亀』初期の始末書話をお楽しみください!!