「販売警備体制が十分とはいえなかったことが問題点」
高島屋は事件発生翌日に開いた決算会見で、横山和久専務が「今回の原因は、商品が身近に触れられる展開に対し、アクリルケースに鍵の施錠機能がないこと、販売警備体制が十分とはいえなかったことが問題点だと考えています」と述べ、警備に落ち度があったことを認めている。
13日夜、息子の堀江容疑者が逮捕されたことを聞いた直後に父親は「(逮捕されたことは)初めて。そんな…する子じゃないんです」と憔悴しきった様子を見せた。
生活保護を受けていると明かし「みなさんのお金をね、私らそれで生かされてんだから。それで十分。外食なんか、もってのほかです」と苦しい生活ぶりを話しながら、息子に何があったのかを必死に考え、混乱しきった言葉も口にした。
「いや、私からしたら、なんでそんな高いもん、(展示場のアクリルケースが無施錠で)簡単に開くようにしてたのかって。そうでしょ。一千万円もするやつ。そんな『はい、持って行っていいよ』みたいな準備するの、おかしいですよ。手え出した人が一番、悪いんだけど…。
困った人10人歩かして、その前に一万円札置いたら9人は拾うと思いますよ。拾う人と拾わない人はいる。それは本当にお金、毎年困っている人でないとこの気持ちはわからないと思う」(堀江容疑者の父親)
貧困の中にいた青年が、贅沢の象徴である大黄金展でやすやすと手に入れてしまった1千万円の茶わんを、180万円で買いたたかれる……黒澤明が『天国と地獄』で描いた貧富の光陰が目の前に立ち上がってくるような事件ではある。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班