海水浴ブームで栄えた場所が今は観光客も臨海学校も来なくなり…

また、同県内で20年近く営業する、総合スポーツ施設を併設したビジネスホテルの代表も「トラブルを起こすのは決まって同好会(サークル)の子たちね」と肩を落とす。

「廊下や室内に穴を開けられたりすると、修繕費をいただいて業者を呼ぶしかないんだけど、壁のクロスの在庫がなかった場合なんかは、直すのにもかなり日数がかかってしまって…。

他にもテレビの液晶を割られたこともありますし、パンツ一丁でトイレットペーパーを体に巻いてゾンビみたいにして笑いながら廊下を歩いていた子もいたみたいです。大学生とはいえ、いい大人なんだから、もう少し節度を守ってほしいです」

天井に“刺さる”「BADBOYS」の学生(流出した「X」より)
天井に“刺さる”「BADBOYS」の学生(流出した「X」より)

しかし、そうした迷惑行為に悩まされながらも、大学生を受け入れざるをえない状況に立たされている宿泊施設もある。「BADBOYS」が宿泊した旅館のように、音楽ホールなどが併設された千葉県内の民宿の店主は、「彼らのおかげで営業を続けられている面もあって…」とため息をつく。

「ここら一帯は、もともと海水浴ブームで栄えた場所で、ウチも創業当時は音楽ホールなんてない、ただの民宿だった。それでも当時は都内からの海水浴客や、臨海学校に訪れた生徒たちで賑わっていたんだよ。だから昔は大学生のサークルが来ることなんてなかったし、ドンチャン騒ぎでも起こそうもんなら『おら、出てけ!』とすぐに追い出していたと思うね」

しかし、水難事故が多発したことで、海水浴ブームが下火になると、臨海学校を取りやめ、林間学校にシフトしていく学校も増えていったという。そんなときに「これからは音楽を売りにしよう」と思い、作ったのが音楽ホールだった。

「ピアノやドラム、ティンパニーといった持ち運びしづらい楽器も常備することで、吹奏楽部のほか、大学のバンドサークルの合宿所としても使われるようになり、なんとか今日まで続けてこられた。

もちろん彼らによるトラブルは尽きないし、去年なんて廊下でうんこしたヤツまでいて大変だったよ。それでも修繕費だけもらえたらいいかなって、ある程度割り切ってやっていくしかないんだよね」