テレビも政治もやっぱり
新聞やテレビ、ネットのニュースを見ていると、「内閣支持率がはじめて40%を切った!」といった報道がよく流れます。日本の政治のことはちゃんと知っておきましょうね。
さて、この報道、はたして「情報を正確に伝えている」といえるでしょうか?
いま、「内閣を支持しますか、支持しませんか」という調査をしたとき、「支持する」と答えた人が39.5%と、40%を下回ったとします。
コレ、どう考え、どう表現するのが適切といえるでしょうか?
もし有権者全員を対象に調査し、全数の回答を得た結果(つまり、全数調査)が39.5%だったなら、「40%を切った」と断言してよいでしょう。けれども、新聞社やテレビ局の調査は通常、RDD法(Random digit dialing)と呼ばれる調査方法が使われ、2000人くらいの回答のことが多いのです。
RDD法とは、電話番号をコンピュータでアトランダム(無作為)に抽出し、その番号に通話して、対象者の意思を聞き出す方法のことで、全数調査ではなく、もちろん、サンプル調査です。
サンプル調査ということは、そこで得た数字(たとえば39.5%)は、有権者全員の数値とはいえません。誤差があるはずです。それなのに、「内閣支持率が40%を切りました」と発表するのは、ちょっと乱暴ですね。