内田被告がロープを購入し阿部さんと共に自宅に入室…

1500万円分もの商品を売り飛ばしてしまった内田被告は、適当な言い訳で切り抜けようとして、どんどん追い込まれていったという。

「すぐに返せないからと『2000万円くらいで返します』と言い出したり、その期限が来ると『3000万円にして返します』とかね。だから無理なら無理で時間が無駄だから、別の返済方法を考えてって話もしたんですよ。

『嘘ついてるのもわかってるから。つまらない嘘はやめて』って話したら『すみません、今まで嘘ついてました。おじいちゃんに生前贈与されたお金でで返します』とまで言ってきたんです。でも、これも多分、嘘だと思いました」

内田被告はA氏に、阿部さんのマンション自室に出入りしていたことも白状した。以前から阿部氏に「自宅に出入りしていた女に、保管していた買取品の貴金属や商品券を売りさばかれた」と愚痴を聞かされていたA氏は「こいつが盗みをしていた女だ」と直感。

同時に「音信不通になっては困る」とあの手この手で内田被告と連絡を取り続けた。すると逮捕される数日前、内田被告がこんな相談を持ちかけてきたという。

「男(ホスト)が浮気してたんですけど、どう思いますか?」

内田容疑者が通い詰めたホストクラブでナンバー1になった小山被告(店舗HPより)
内田容疑者が通い詰めたホストクラブでナンバー1になった小山被告(店舗HPより)
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後にこのホストは、県警が共犯で逮捕した小山被告のことだと判明するが、内田被告からの「相談」としてA氏は当時、こう証言していた。

「浮気をされたのがいつとは言ってなかったけど、『彼氏がマリオットホテルを取ってくれて私は夕方からチェックインして待ってたんです、だけど全然来なくて連絡しても友達とまだ用事って返ってくるんです、結局来たのが夜の12時くらいなんですよ。

それで何をしてたのか問いただしたらキャバ嬢を家に連れてきてゲームをしてて、そのうち野球拳が始まって体の関係になっちゃったって。でも全然エッチはしたくなかったって男は言ってるんですけど、どう思いますか?』みたいな内容でした。完璧に壊れてますよ。その相談に関しては『お前もそいつも終わっとる』と返しました」

A氏が指摘したように、両被告ともすでに「終わっていた」のだろう。小山被告が2023年10月度にホストとして売り上げた2700万円超という常軌を逸した金額は、ほぼ全額、内田被告が突っ込んだものだった。

名古屋地検は小山被告の初公判の冒頭陳述で、阿部さんが同9月29日に自宅でロープなどで拘束された状態で死亡していたこと、同日が、小山被告の勤務するホストクラブの締め日にあたり、かつ内田被告がこの日に来店予約を事前に入れていたことを明らかにした。

さらに内田被告は同日夕方に名古屋市内でロープを購入した後に阿部さんと合流して阿部さん宅に入室、夜にひとりで外出してホストクラブで小山被告を指名、多額の現金を支払ったことも明らかにした。

初公判直前、A氏にあらためて取材を申し込むと、死体遺棄容疑のみでの逮捕にこう肩を落とした

「問われる罪に納得いかない。でも今は裁判を見届けようと思います」

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