若い女性が1人で犯行を完結するには無理がある
小山容疑者は内田容疑者と共謀し、9月末ごろから11月21日までの間に、中区新栄の阿部さんのマンションの自室に阿部さんの死体を遺棄した疑い。
遺体は全裸で手首は体の前でロープで縛られ、頭にビニール袋を被せたうえ毛布に包んだ状態で寝室のクローゼットの中に隠すように放置されていた。寝室の出入り口は粘着テープで目張りされ、玄関ドアは施錠してあった。阿部さんの生前の姿は９月末に姉が確認したのが最後だが、以降も阿部さんのLINEアカウントを使って親族らにメッセージが発信されており、不審に思った姉が20日に行方不明届けを出し、翌21日に中署員が遺体を発見。司法解剖の結果、死後１ヵ月半から2ヵ月が経過して腐敗が激しく死因は特定できなかったが、状況からみて殺害された可能性が高いとしている。
社会部デスクが事件の経緯を解説する。
「内田容疑者は『おたからや名古屋栄店』の元従業員で、2000万円もの横領が発覚して阿部さんに返済を迫られる一方、合鍵を持たされ阿部さん宅を自由に出入りできる立場だったことがわかっています。ただしそれにしても現場の状況から、若い女性が1人で犯行を完結するには無理がある。そこで捜査本部が内田容疑者の交友関係を洗い出したところ、小山容疑者が浮上したのです」
元キャバ嬢の内田容疑者がホストにハマっていたことは、♯4の「常連客」の証言に詳しい。内田容疑者は常連客が阿部さんに託した金のインゴットなどを勝手に売り飛ばし、ホスト遊びに興じていたようだ。常連客はこう語っていた。
「内田はホストにめちゃくちゃ金を使ってて、それも私がホストクラブ関係者から聞いた噂を元に問い詰めると、自分からペラペラ白状したんです。それだけじゃなく、逮捕される何日か前にも『男（ホスト）が浮気してたんですけど、どう思いますか？』って相談みたいな電話をかけてきたんですよ」
その相談内容は次のようなものだったという。
「彼氏がマリオットホテルを取ってくれて私は夕方からチェックインして待ってたんです、だけど全然来なくて連絡しても友達とまだ用事って返ってくるんです、結局来たのが夜の12時くらいなんですよ。それで何をしてたのか問いただしたらキャバ嬢を家に連れてきててゲームをしてて、野球拳が始まって体の関係になっちゃったって言われて、全然エッチはしたくなかったって男は言ってるんですけど、どう思いますか？」
バカバカしすぎて答える気にもならない「相談」に常連客はひとことこう返したという。
「お前もそいつも終わっとる」。
