スマートフォンを胸ポケットにいれて盗撮

また、検察は起訴事実として次の4つを列挙した。

(1) 被告人は同校舎の生徒である被害者Aと2人きりになったときに下着等を盗撮しようと考えていたところ、今年5月2日に同校舎の教室で面談を行うことになったことから盗撮することとした。盗撮するために動画撮影機能を録画状態にしたスマートフォンを自己の着衣の胸ポケットに入れて面談を開始した。面談中は下着をより鮮明に撮影したいと考え、Aに対し、床に座ってその両足を持ち上げる姿勢をとらせるなどして盗撮した。

(2) 被告人は同月5日もAとの面談の機会を利用し、下着等を盗撮しようと考え、Aの保護者が校舎に来訪していないことを確認したうえで、動画撮影機能を録画状態にしたスマートフォンを自己の着衣の胸ポケットに入れた。

森被告に晒された生徒の個人情報(知人提供)
森被告に晒された生徒の個人情報(知人提供)

(3) 被告人は同年6月2日、前記校舎の教室でAと2人きりになって下着等を盗撮しようと考え、大教室で問題演習をしていたAを別の教室に連れ出した。その際被告人はAを盗撮するため、動画撮影機能を録画状態にしたスマートフォンを自己の着衣の胸ポケットに入れた。

(4) 被告人は同校舎の生徒である被害者Bと2人きりになったときに、Bの下着等を盗撮しようと考えていたところ、同年8月8日、教室で2人きりで授業を行うことになったことから盗撮をすることとした。授業中、下着をより鮮明に撮影したいなどと考え、Bに対し、椅子の上に立って前屈みになる姿勢をとらせるなどしたうえ、ひそかに動画撮影機能を録画状態にしたスマートフォンを手に持ってBの着衣の隙間にそのカメラレンズを差し向けた。

以上4つの起訴事実の犯行で盗撮した動画を、森被告はグループチャットに送信していた。また検察側は冒頭陳述で犯行発覚の経緯として次のように述べた。

「今年8月、記者から本件被害に関する情報を聞いたAの保護者が警察へ相談したことをきっかけに、警察が被告人からパーソナルコンピュータ等の電子機器を押収したところ、被告人が使用する電子機器内から各盗撮動画が発見され、各犯行が発覚した」

東京地裁(撮影/集英社オンライン)
東京地裁(撮影/集英社オンライン)
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一連の事件を巡っては、森被告の先輩講師だった男も盗撮を手助けしたとして罪に問われ、罰金30万円の略式命令を受けている。また、森被告は別の生徒を盗撮した罪などでも起訴されており、被害生徒は10人以上におよぶ。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班