2017年10月1日、和歌山県警に殺人容疑で逮捕

この住人は実際、梶村容疑者が若い女性と仲むつまじく、夕方にアパートに帰ってくる姿を見たことがあった。そして、最後に梶村容疑者を確認したのは今月13日のことだったという。

「8月13日の夜だね。その日たまたま停電になって、外の様子を見に行ったうちの女房が梶村さんに『停電なのですがどうすればいいですか?』って尋ねられたらしい。そのときはふだん通りで変わった様子はなかったみたいだけどな。それから2~3日の間は珍しく洗濯物が干しっぱなしになってたからちょっと変だなって思ってたんだ。そのころ大家には、梶村さんから『東京で入院してる』と連絡があったそうだ」

しかし、8月17日ごろからアパート中にただならぬ臭気が漂うようになったという。

「もう家にいられないレベルの匂いだったよ。動物臭というか、いろいろなもんがごちゃ混ぜになったような、強いて言えば腐ったキムチの匂いというか……。部屋中臭いから、匂いのもとを探したけどわからないくらい臭くて、とりあえず下水からか、って水を大量に流したりもした。だけど、結局数日は匂いがしていたな。そんなこんなで22日に遺体が見つかったっていうんでびっくりしたよ……。いや、ほんとにさ、梶村さんはいつもニコニコしていて、何かやらかしそうな雰囲気とかまったくなかったんだけどな」

遺体が発見された梶村容疑者のアパート(撮影/集英社オンライン)
遺体が発見された梶村容疑者のアパート(撮影/集英社オンライン)

一方、来日して半年も経たずに若い命を散らすことになった留学生が住んでいたアパートの近くの住人男性は、こう語った。

「4月にこのアパートに引っ越してきたみたいですね。ちょうど荷物を運び込んでいるときに『私は日本語学校に行ってます』とカタコトで挨拶してくれた子だと思います。姿を見たのはその一度だけなので詳しくはわかりませんが、普通にいい子そうに見えました。アパートには同年代の女性と2人で住んでいて、引っ越しのときは男性も手伝っていたと思います。今回の事件の容疑者とかではなく、外国語で話していたので同じ国の男性が手伝いにきていたんじゃないですか」

留学生が梶村容疑者とどこでどのように知り合い、「宇宙一大切な彼女」になった経緯は、まだわからない。わかっているのは、梶村容疑者が6年前にも似たような事件を起こしていたことだ。

梶村容疑者とインドネシア国籍の留学生(梶村容疑者のSNSより)
梶村容疑者とインドネシア国籍の留学生(梶村容疑者のSNSより)
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梶村容疑者は2017年10月1日、和歌山県警に殺人容疑で逮捕されている。当時の発表によると、無職の梶村容疑者は同年9月30日午後、和歌山県新宮市のホテルの客室で、名古屋市内在住の女性(当時26歳)の首を絞め殺害した疑い。

同日午後8時35分ころ、梶村容疑者から「ホテルの客室内で心中する」などと119番通報があり、救急隊や新宮署員が現場に急遽駆けつけたところ、室内で女性が死亡しているのが見つかった。梶村容疑者は当時、睡眠薬を大量摂取し意識不明の状態で、その後の調べに「自殺を助けるため首に巻き付いていたタオルを絞めた」などと容疑を認め、同意殺人罪で起訴。2019年3月に和歌山地裁で懲役5年(求刑懲役7年)の実刑判決を受けていた。

梶村容疑者の心の闇にあったものはなんだったのか。捜査による解明が待たれる。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班