子どもとの時間を大切にしたい
――そんな報道一直線の中で、女性として、いつ結婚して出産してというタイミングはどう見計らっていたのでしょうか。
女性アナウンサーにとって結婚や出産はタイミングがとても難しいと思います。本来は自分の人生だからお相手ができたら、その方と自分のタイミングで決められるのでしょうけど、担当番組を持っている限りその責任は自分だけのものじゃない。
特に出産は番組就任後だと良くないなとか。このタイミングで子育てとなると、こういう仕事はできないなってことがよぎってしまう。そこは私だけでなく女性アナウンサー皆さんが悩むところだと思います。
――出産後に退社の道を選んだのはなぜだったのでしょう。
子育てするうちに子供の成長の早さを感じたんです。赤ちゃんの時期って、夜泣きとかミルクあげたりっていうのがすごい大変で、永遠に感じるぐらい辛い時期ではあるけれども、一日一日の子供の成長をちゃんと見てあげたいっていう気持ちが強くなったんです。
――育児に専念したいと思われたのですね。
実は出産前まではそんなに子供好きではなかったんです。でも自分が産んで育てていくうちに、変わりました。もう、なんて可愛いんだろうと。子供が産まれる前の私を知るフジの同期や友人たちも「由香里がこんなになると思わなかった」って驚かれるくらいです。
――娘さんの育児に専念した時間は、大島さんにとってどんな経験でしたか。
本当に、めちゃくちゃ貴重でした。自分で動くこともできない赤ん坊と向き合う時間はものすごく大事だったなって思います。辛抱強さの面であるとか、とにかく人として、親として成長させていただいた時間でした。
――現在、仕事と子育てを両立させるなかで、大変だなと感じることはあるのでしょうか?
いろんな方に「本当よくやってるよね、大変でしょ」って言われるんですけど、あんまり大変だって自覚はないんですよ。自分の決めたことだっていうのもあるし、子供にこういうふうにやってあげたい。自分がこういうふうに働きたいっていうことをやっているから、楽しい方がすごく強くて、いま幸せだな、恵まれてるな、頑張ろう! って歯車がよく回っているんです。
――それは素晴らしいことですよね。大島さんの強さを感じます。
側から見たら大変だって思われるかもしれないですけど、私は、私の決めたことで、私がやりたいようにやるって決めたから、そこにストレスがないというか。