マスク下のメイクも公開…スターライト・キッドはこう作られる【完コピせよ!】

――キッド選手は本当にマスクが似合いますよね。

やっぱり似合う似合わないはあるんだよね。スターダムで全選手がマスクを被る興行を前やってたんだけど、似合う人と似合わない人が出てきて。自分は似合うほうの顔なんだなぁって気づいた。マスクウーマンはスターダムで私しかいないから、お客さんから目に留まりやすいっていうのはきっとある。得だよね。

――元々、マスクウーマンになりたかったわけではないですよね？

岩谷麻優はなりたかったみたいだけど、自分はなりたかったわけじゃない。嫌ではなかったけど、そうなっちゃったっていう感じ。でも今となっては、誇りに思ってる。マスクウーマンにしかできないこともあるし、いままでマスクウーマンで結果を残してきた人っていうのがあんまり思いつかないんだよね。

――いまや、マスクウーマンと言えばキッド選手です。

マスクウーマンで「週刊プロレス」の表紙をピンで取ったのは、わたしが初めてらしい。そういう“史上初”をいっぱい取りにいきたいっていうのと、あとはマスクを懸けてタイトルに挑戦したりとか。そういうマスクの活用をもっとしていきたい。

――マスクをしていても、表情がすごく豊かですよね。

前はすごい意識してたんだよね。体も小さいし、どうしたら大きく見せられるかとか、どうしたら表情が伝わるかとか。けど最近は考えなくても、それが自然と出るようになった。

――キッド選手は若い女性ファンも多いので、この記事を読めば“キッド”メイクを完コピできるようにしたいなぁと思っています。まずはアイメイクから教えていただけますか？

試合中、汗でよれやすいから、まずはキャンメイクのアイベース。それからアイパレットかな。

――Diorの「サンク クルール クチュール」！　キッド選手のアイメイクは本当に美しくて惚れ惚れするので、なにを使っているのかずっと気になってたんですよ。どうやって塗ってますか？

左上を下地みたいな感じでアイホール全体に。左下を二重幅よりちょっと上くらいまで塗って、右下の紫を二重幅に。若干グラデーションみたいな感じでやってる。

――ものすごく綺麗なグラデーションですよね。コツは？

二重幅の下のほうは濃い目で、二重幅の上を越えるあたりはちょっと薄く、みたいな。

――すごい上手……！

結構いつも適当にやっちゃうけど（笑）。下まぶたは真ん中の紫を全体に塗って、全体的にADDICTIONのラメを乗せてる。

――ラメのアイテムがたくさんありますね。

ラメ大好きなの！　上まぶたの黒目の上に、フラワーノーズ Cherry Loveのグリッターリキッドアイシャドウ。近くで撮られた写真を見ると、意外と目立つんだよね。アイライナーはViseeの紫。あと涙袋ラインはセザンヌ。

――アイラインもすごく綺麗！

えー！　アイライン引くのめっちゃ下手で、今日失敗したんだよね……長すぎた。下手だから日によって違う感じになるけど、たれ目にはしないかな。ちょっと強い印象にしたいから、ハネ上げるか平行気味にするか。でもとにかく下手（笑）！

――メイクはキッズレスラーの頃からしてる？

デビューより全然前から。小学４年生とか。プロレスを始める前は、アイドルとかモデルを目指してたから。最初は100均コスメとかをめっちゃ集めてて、You Tubeのメイク動画で研究してたの。

――いまどきな感じですね！　デビュー当時はどんなメイクだった？

日によって色を変えてたかな。ピンクにしたり、紫にしたり。100均コスメが多かったかもしれない。目と口しか見えないから、「ちょっと派手だったらいいや」みたいな感じで（笑）。ちゃんと統一したのは、大江戸隊に入ってから。でもラメは欠かさない！

――マスカラは？

下地がキャンメイクのクイックラッシュカーラー。上まつ毛はヒロインメイクのロング＆カールマスカラ。下まつ毛はdejavu。最後に、ZEESEAのリキッドアイシャドウを目頭に入れてる。

――あと、キッド選手と言えば、紫のカラコン。

だいぶ印象変わると思うよ。わたしは普段からカラコンしてるけど、紫がこんなにマスク映えする色だとは思っていなくて。このカラコンだけでもかなり変わる。

――大江戸隊に入ってから、メイクを紫系に統一したんですよね？

STARSのときはオレンジのアイシャドウとかしてたけど、オレンジだとあんまり強い感じは出せなかったかな。紫は目もぱっちり見えるし、自分に合ってると思う。

――オーバーリップ気味に描いてます？

これ自分の唇なの！　分厚いんだよね。

――めちゃくちゃセクシーな唇！　直塗り？

うん、リップライナーも使ってない。上唇の中央から左右に塗って、下唇は端からバーッて塗る感じ。Diorの「Diorific ベルベットタッチ 073」なんだけど、限定色だからもう売ってないんだよね。大江戸隊のために買ったわけじゃなくて、移籍前に買ったんだけど、「普段使えないや」と思ってずっと保管してて。大江戸隊になったときに「使えるときが来た！」って感じで登場した（笑）。

――この色を買うのはすごい。冒険するタイプですね。

冒険するね。絶対、普段使わないだろうと思ったけど、限定色っていうのに惹かれて買っちゃった。コスメ好きだから、めっちゃ買っちゃう。

――グロスは使わない？

試合中だと、ベタベタついちゃうから使わないかな。撮影で塗ってたときもあったけど、このままのほうが綺麗だなと思って、いまはこれ一本。大江戸隊は黒のリップを使っている人が多いイメージだったから、黒じゃないほうがいいかなと思って。

――マスクウーマンならではのメイクのこだわりは？

試合のときは基本、目と口しかメイクしてないから、とくにめっちゃ意識してることはないかも。けど、普段のメイクでは絶対やらないようなメイクはしてるかな。

――マスクで見えないですが、Instagramとかを見ていると眉毛がめっちゃ綺麗ですよね！　こんな綺麗な眉毛、どうやって描くんだろうといつも不思議で。

眉毛アートを入れてるの。わたしはマスクマンだから試合中とかはあんまり意味ないけど、レスラーはみんな入れたほうがいいと思う。だって絶対、汗でぐちゃぐちゃになって消えちゃうから。一般の方でも、入れるとだいぶ楽だと思う。ベースがあると描きやすくなるよ。

――パーソナルトレーニングに通われているそうですね。

2020年７月くらいから本格的にトレーニングをやり始めた。前ほどは行けてないんだけど、週２、３回かな。個人的な仕事が増えたりとか、試合も増えたから、そんなには行けてない。

――どんなことをやるんですか？

部位によって分けて、脚、背中、腕、胸、肩、みたいな感じ。メニューを組んでもらって任せてるんだけど、やっぱりキツいよね。レスラーというのもあって、一般の女性より重量が重いから超追い込まれてる。筋肉痛になりながら試合とか、全然ある。でも、ひとりでやると正しいフォームでできないし、自分に甘えて重量上げられないし、あとそもそもジムに行かないと思うんだよね。筋トレは好きじゃないから（笑）。

――体は変わった？

デカくなった！　昔は食べても太らない体質だったんだけど、途中からすごい脂肪がつく体質になったの。それもあって、筋肉量も増えて、お客さんたちが安心して見られる体になった。前は細すぎて、「見てて怖い」みたいな。

それってレスラーとしてダメだよね。そういう面では、安心して見られる体づくりができたっていうのと、怪我しにくいだろうなっていう体になったかな。あと技に重さが出たね。背が低い分、プレス系の技に説得力がなかったんだけど、最近は技とか全体的に力強さが出てきた。

――大江戸隊に入ってから効果が出始めた？

大江戸隊に入ってから「力強さが出た」って言われるようになったから、いままで積み重ねてきたものが大江戸隊で発揮された感じなのかな。

――最後に、マスクウーマンにとって、美とはなんでしょうか？

目に見えているそのものすべて。マスクもカラーや使う生地、様々な組み合わせで雰囲気を変えることができて、メイクと似ている。どんなマスクにも似合うメイクを試行錯誤した結果がいまのメイクであり、見えている部分が限られているからこそ、わたしは常に美を追求し続けたい。わたしにとってはマスクも"美"なのです。


撮影／林ユバ