対面で仕事をさせていただくときに、相手との距離を一気につめることができるのは共通言語だと思います。一番よく使うのは出身地ですよね。先日、B.LEAGUEの千葉ジェッツふなばしでDJをやらせていただいて、関係者の方とご挨拶したときの話です。
「KOOさんは鎌ヶ谷二中の出身ですよね?」
「はい、そうです」
「実は僕もそうなんですよ」
「本当ですか? 先生は誰でしたか?」
「〇〇先生です」
「社会科の先生ですよね!」
会話を3往復しただけで、テンションが上がりましたし、親しみを持てました。
いまは価値観が多様化していて、好きな音楽も、好きな番組も、好きな食べ物も、好きなユーチューバーも、みんなバラバラです。だからこそ、共通の話題は距離を縮めるための有効なトークスキルだと思います。
出身地は年齢を問いませんが、同年代の人同士だと時代を象徴したものの話ができますよね。私で言えば、ゴジラであり、プロレスであり、ハードロックであり、落語であり……。そういった話は、自身の源流になっていることが多いですから、距離が縮まるだけでなく、信頼性も増したりします。

脳動脈瘤を克服! DJ KOO流・心と体を若く保つコミュニケーションの習慣
30~40代時の無茶な仕事の仕方が祟り、56歳で脳動脈瘤が発覚。それまで病気とは無縁の人生だったというDJ KOOさんは、手術、リハビリを経て復活をする中で生活を見直していく。新刊『あと10歳わかくなる DJ KOO流 心・体・脳の整え方』ではメンタルと、身体の健康を保つためのテクニックがたくさん紹介されている。本記事ではそんな新著の中から、小室哲哉との出会い等で学んだ日々の人間関係に役立つ、DJ KOO流コミュニケーション術を抜粋し掲載する。

共通の話題で心の距離を縮める
出身地は誰でも使えるトークテーマ
共通言語がなくても興味を持ってみる
違う世代の人とのコミュニケーションも、自分の中に新しい風を吹かせてくれます。私の娘が「興味がある」と言うので、モーニング娘。さんのライブに一緒に行ったり、DJで楽曲をプレーしていたんです。
娘の話に興味を示していなかったら、これらの仕事につながることはなかったと思います。「モーニング娘。」の仕事が「(自分の)娘」からはじまりました(笑)。すると、DJ KOOはアイドル系にも強いんだというイメージが広がっていき、いろいろなアイドルたちとご一緒させていただけるようになりました。
乃木坂46の弓木奈於(ゆみきなお)ちゃんと「TOKYO SPEAKEASY」(TOKYOFM系)で初共演することになり、本番前は「混ぜるな危険」と言われていたほどだったのですが(笑)、番組がはじまったら大盛りあがり。2人トークががっちり噛み合った1時間になりました。
もしアイドル好きのように振る舞っていたり、若い女の子のテンションに合わせにいっていたら、噛み合うことはなかったと思います。大きかったのは、弓木奈於ちゃんがDJ KOOのファンだったこと。私も乃木坂46のライブに行くほどのファンですし、互いに興味を持っていたことでトークのフィーリングが合いました。
たとえ、世代が違っても、共通点がなくても大丈夫です。会話は成立します。相手に興味を持つこと、相手と仲良くなろうと思うこと、この2つがいいコミュニケーションの大前提かもしれませんね。
「出身地はどちらですか?」「〇〇にハマりましたか?(同世代限定)」を鉄板クエッションにしよう!!

口説きたいときは意見ではなく「想い」を乗せる
小手先の美辞麗句は必要ない
私の人生の恩人のひとりである小室哲哉さん。はじめてお会いしたのは30年ほど前のことでした。会うまでは、「アンダーグラウンドなDJとはかけ離れた、ポップスの人」という自分勝手な悪いイメージを持っていたんです。実際、小室哲哉さんのスタジオに行ったら、これまで出会ったことがないくらい突き詰めて音楽をつくっている人でした。
「あいさつで終わっちゃうのは嫌だ。この人をずっと見ていたい」
そう思ったときに、気持ちが口からついて出ました。
「明日もここに来てもいいですか?」
小室哲哉さんからは、拍子抜けするほどあっさりとOKの返事をもらい、そこから押し掛け弟子がはじまりました。それから、TRFのテビュー、そして現在のDJ KOOへとつながっていくのです。あのとき直感的に、「小室さんはこうだから、自分はこう思っています」というロジカルな意見ではなくて、「小室さんのところに、来たい、行きたい」とストレートな想いを伝えたほうがいいと思いました。
特に目上の人の懐に入りたいなら、率直な想いを伝えたほうが受け止めてもらえると思いますよ。
「また今度」にスピード感をもたせる
小室哲哉さんのつながりで、FENCE OF DEFENSEのドラマー、山田わたるさんとお会いすることがありました。
「今度、DJとドラムで何かやりたいね」
「今度、DJを見に行きたいな」
先輩の山田わたるさんのほうから、そう声をかけていただきました。自分のDJイベントのスケジュールをお伝えしたものの、「先輩にそう言っていただけて、社交辞令でもうれしいな」くらいに思っていました。ところが、その週末に山田わたるさんがイベントにいらっしゃったんです。
「今度」というときは、そのほとんどが「機会があったら」くらいのニュアンスだと思います。そのスピード感に、山田わたるさんの本気度が伝わりましたし、信頼して一緒に仕事をしてみたいという気持ちになりました。その後、WILLというユニットで、アルバムもリリース、各地でライブも行いました。
それからは、「今度」という言葉をなあなあにしないで、できる限りすぐに実現することを心がけています。
「今度〇〇します」を実現しちゃおう!!
あと10歳若くなる! DJ KOO流 心・体・脳の整え方
DJ KOO

2022年8月2日
1,650円
単行本 232ページ
978-4-569-85244-7
池谷敏郎氏(医学博士)推薦!!「医師の理想とKOOさんらしさの絶妙な“落とし所“が満載!」“夜にウォーキング!?”“SNSを使いこなす”……バラエティーで大活躍・還暦超えアーティスト元気の秘訣。仕事/メンタル/食事/睡眠/人生/人間関係・・・全部に効く!54の「小さなルーティン」収録
「最近、年のせいか疲れやすくなってきた」「もうひと頑張りしたいのに気力が湧かない」「もしかして少しボケてきてかも」……そんなお悩みをDJ KOOが解決しちゃいます!ダンス&ボーカルグループTRFのDJとして平成の音楽シーンをけん引し、最近ではバラエティー番組でも大活躍。ノリの良さと明るいキャラクターで老若男女を魅了しているDJ KOOも、じつは「還暦」超え。60歳を超えても、日々全力で新しいことにチャレンジしたり、何十年も第一線で走り続けることができた「秘訣」とは。本書では、メンタル、健康、仕事、人生などDJ KOOを支えてきた選りすぐりの“ルーティン”を54個紹介。身体的な若返り効果はもちろん、即効で気分がアガること間違いなし!ミュージシャン仲間やアイドルグループ、芸人との交友エピソードも満載です。
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