先日、コロナ禍でずっとご無沙汰してた弟から久々にLINEがきました。

「ずいぶん会ってないし、いろいろこちらの状況も変わったんで、久しぶりにごはんでも食べようよ」

弟と私は8学年も年が離れているのと、互いに執着心のない性格のせいか、同じ都内に住みながらも連絡を取るのは年に数回。それも業務連絡のようなLINEを取り交わすくらいで、まあ、疎遠といえば疎遠である。
そんな弟から、こんな連絡がきたものだから、「ゲッ、あいつまさか離婚か?」「失業(弟はフリーのSE)でもしたか?」と、不穏な予想ばかりしながら、不肖の姉は待ち合わせたお寿司屋さんに出向いたのであった。

なんかめんどくさくなっちゃってさ

で、そんなあっさりした関係の姉弟とはいえ、なにしろ会うのは3年ぶりである。その間にコロナがあったり、私がちょこっと手術したりなど、話すネタは結構あるもので、話題が途切れぬまま、お寿司もパクパクいただいていたのだが、いきなり口から銀シャリが吹き飛ぶようなことを弟がのたまった。

「そういえばさ、今、永久脱毛してんだよね」

は?

「え、どこの?」
「全部」
「え、ワキとか?」
「そう、ワキとか」
「すね毛とか?」
「そう、すね毛とか」

弟は決して饒舌なタイプではないので、余計なことはあまりしゃべらない。
反対に姉の私は気分がのると怒涛のようにしゃべりまくるので、夫から機関銃と呼ばれ、しゃべっている最中に唇を指で挟んで閉じられてしまったという哀しい経験の持ち主である。

3年ぶりに会った弟・48歳が全身永久脱毛を始めてた理由〜人類体毛事情今昔物語_a
全身脱毛という言葉から勝手なイメージ。弟ではありません

「全部、って言ったよね」
「うん」
「なんでまた、そんなこと」
「うーん、なんか、めんどくさいなあって思っちゃってさ、毛があるのが」