人気SNS『Twitter』は4月、イーロン・マスクによる買収案に合意したことを発表しました。買収後は株式が非公開化され個人所有に近い形態となることも、あわせて明らかに。

もともと世論を騒がせる発言の多かった億万長者、マスク。個人所有というキーワードも手伝い、「Twitterは変化するのではないか」という不安が、世界中に広がりました。すでにTwitterから、他のSNSへ移行するユーザーも増えてきています。

そうした動きの中、移行先として再注目を集めているのが『Mastodon(マストドン)』です。

Mastodonとは

Mastodon(マストドン)はTwitterと同じような短文投稿型のSNSです。

Twitterとの違いとして、

・ 広告やおすすめを挟まない
・ 文字数制限が500字(Twitterは140字)
・ 投稿ごとに公開範囲を指定できる(Twitterはアカウントごとに指定)
・ 「ネタバレ注意」などの警告とともに内容を伏せられる(Twitterは外部サービスが必要)

などの特徴がありますが、一番大きな違いは、Mastodonは無償で自由に設置できることです。
そのため個人から企業まで、さまざまな立場の運営者が、特色を持ったサーバーを設置しています。現在、世界には約3,000ものMastodonサーバーが稼働しているのです。

それぞれのサーバーは運営者やルールが異なり、独立して運営されています。また『連合』という仕組みで相互に接続されています。サーバーが違っても、お互いをフォローして、投稿を受け取ったり返信したりできるわけです。

Mastodonの開発者はTwitterの問題点として、

・ 規模が大きすぎて画一的なルールで問題を解決できなくなっている
・ 利益のために株主や広告主を優先しなければならない
・ 買収や破綻のリスクがあり、万一のときに代わりが効かない

などを挙げています。

これを解決するために、管理しやすいサイズのサーバーに分散し、かつサーバー同士を相互につなげ、一つのSNSとして機能するように設計されています。なお、運営にはサーバー代が必要ですが、無理のない規模とすることで小さな負担にとどめることができます。これも分散の強みです。