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統一教会と霊感商法

統一教会と言えば、霊感商法である。

強引なやり方で、壺や印鑑を売りつける。教団ぐるみ、組織ぐるみで、目をつけたプチ金持ちからありったけを巻き上げる。その手口や実態は、浅見定雄『統一協会=原理運動』や有田芳生『改訂新版 統一教会とは何か』に詳しい。

日本はエバ国家

文鮮明によれば、日本は、韓国を虐げた悪の国であるが、アダム国家である韓国の妻となって助ける「エバ国家」の役割を与えられた。経済を通じて、韓国に貢献しなければならない。

統一教会の資金の流れを見ると、日本からの献金が最大の資金源になっている。エバ国家であるかどうかはともかく、これは、はじめからそういう計画だったのだろう。

統一教会は、韓国では競争相手が多い。

韓国はそもそも、キリスト教徒の割合が多い。プロテスタントの各宗派やカトリックが人びとのあいだに広まっている。統一教会は異端で、そもそも警戒されている。

梨花女子大の事件(教授や生徒が入信し、結果的には退学。文鮮明が女性徒と肉体関係を持っていたという噂が広がったりと、韓国で悪評を広げるきっかけとなった)もあったことゆえ、つねに猜疑と悪評がつきまとっている。反社会的な資金集めを大々的に展開するのは、韓国では無理があるのだ。

日本は、韓国と違って、キリスト教徒の割合が少ない。ということは、既存のキリスト教界からの介入や圧力が、韓国ほど激しくない。

現に、やはりキリスト教系の新宗教であるエホバの証人は、数十万人の規模に急成長しているではないか。それは、キリスト教によく似ているように見える統一教会は、日本で発展の余地がある、ということである。

統一教会はそれを早い段階で見抜き、理解し、日本にミッションを送り込んだ。結果から言えばこれは、ある程度成功した。

要するに日本は金づるだ。TBS「報道特集」の調査によると、1999年度から2011年度まで毎年約600億円を、日本の信徒から集めている。それ以後もずっと、集金は続いている。集めた資金のかなりの部分が、韓国に送られたと推定される。