求められる実力者たちの復調
花田監督が想定より悪かったという5区、6区は、それぞれ4年の小指(こざす)卓也、3年の菖蒲(しょうぶ)敦司が担った。だが、その苦戦は織り込みずみだった。
というのも、長期のケガをしていた小指はなかなか練習が継続できておらず、今回が2年時の箱根駅伝以来の駅伝レースだった。一方、菖蒲は今季の前半戦は1500mや3000m障害に取り組んでおり、長い距離に移行しようとした矢先、9月頭に新型コロナに感染、走り込みが不足していたからだ。
不安が的中し、全日本では振るわなかったものの、ふたりはチーム内では上位の実力者たち。
「箱根のことを考えたら、駅伝で一回起用しておきたかった。ふたりとも、練習しないと走れないというのがわかったと思う」
花田監督がそう話すように、箱根駅伝を見据えれば、決してマイナス要素というわけではなく、むしろ前向きに捉えることができた。
箱根予選会の後にも、花田監督は同じようにレースの振り返りをしてくれた。期待の1年生の山口智規が15km付近で立ち止まるアクシデントがあったものの、多くの選手がほぼ想定通りに走っていた。