【成長】を促したとある先輩の一言と、『賭ケグルイ』への出演

芹澤が声優として【成長】を感じた原点は大きく2つあったそう。

1つめは、先輩声優・寺島拓篤からのとある言葉だ。芹澤が声優デビュー直後から寺島とは複数のアニメ作品で共演しており、彼女の新人時代を知る人物だ。2018年に主演を務めたアニメ『3D彼女 リアルガール』(五十嵐色葉役)でも寺島と共演。その際に言われた言葉に救われたのだそう。

「私、デビューしてから最初の数年間は先輩方に話しかけに行けなかったんですよ。“アイドルの子”だと思われていたらどうしよう、お芝居も上手くない私が相談していいわけない、って。

そんな悩みを抱えていた中、寺島さんがぽそっと『すごく成長を感じる』と言ってくださったんです。その一言を聞いて、もっと“頑張ろう”という活力に繋がりました」

デビューから10年、苦悩の連続だった。声優・芹澤優が挫けずに前を向けた3つの原点_08

さらにもう1つ、アニメ『賭ケグルイ』の夢見弖ユメミを演じたことは芹澤の芝居を大きく成長させた。特に2019年に放送した第2シーズンでの芝居を振り返り、「私の真骨頂だった」と話す。

「主人公の蛇喰夢子ちゃんを演じる早見(沙織)さんに引っ張っていただいたこと、音響監督の藤田(亜紀子)さんが演者のお芝居に対してとことん追求してくださったことで“私も負けていられない!戦わなきゃ!”って。自分で思ってもいないようなアドリブが出てきたり、ドスの効いた声が出てきたり、感情を大爆発させるお芝居ができました。今、同じお芝居をしようとしてもできない気がします(笑)」

デビューから10年、苦悩の連続だった。声優・芹澤優が挫けずに前を向けた3つの原点_09

そんな芝居ができたのは、ユメミと芹澤が近しい境遇だったことも影響している。

ユメミは、インディーズでアイドル活動をしているが、実は女優としてアカデミー賞を受賞することを夢見ているキャラクターだ。

「特に共感したのは“最初はアイドルになる意味なんてないと思っていたんです。期間限定の女優への足がかりでしかなかった。アイドルの私を慕ってくれる人がいて、みんなの期待に応えるのが誇らしくて、私の中でアイドルになった意味が生まれた”というセリフ。あのシーンを演じた時は、何かが降臨していたと思います」

「自分のお芝居で泣くことはほとんどないけど、つい最近見返したら感動して泣いちゃいました」と笑顔を見せた。

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