「M-1」敗者復活戦を経て、ようやく家族が認めてくれた

――そこで資金が回収でき、ポッドキャスト「うなげろりん」も晴れて毎週配信となりました。加えて、2021年の「M-1グランプリ」敗者復活戦あたりから良い波が来たように思いますが、おふたりはそういう波をいつから感じはじめましたか?

中谷 やっぱり「M-1」じゃないですかね。見てる母数が違いますから。同級生とか、昔の知り合いとかからも連絡が来るようになって。加えて「うなげろりん」と見取り図さんのYouTube、その3つが大きいように思いますね。

阪本 最初は見取り図さんのYouTubeをきっかけに僕らを知ってくださる方が多くて。そこから「M-1」もあって、ポッドキャストもあって、写真集もあってという形でうまく話題が続いたんです。周りの芸人からも「最近人気あるみたいやな」と言われるようになりました。

中谷 昔は家族からあまり応援してもらえなかったんですけど、「M-1」以降、一度だけ会った母の鼻は少しふくらんでいました。息子だからわかる母の鼻の膨らみ。

阪本 うちもそうですね。これまでは実家に帰るたびに親父から「お前はいつまで続けるんや」と言われていて。あれが実家で一番イヤ~な時間で(笑)。今はもう応援の方に完全に切り替わってくれました。

――今年1月、『霜降り明星のオールナイトニッポン』にゲスト出演が決まったときも、霜降り明星のおふたりがコロナで出演できなくなり、SNSでは「マユリカが代わりにやるんじゃないか?」とざわついたこともありました。

中谷 ありましたねぇ。あのとき、一言も僕らは発言していなくて。

阪本 ファンが盛り上げてくださって、「マユリカあるんちゃう?」ということでトレンドにも入ってしまって。その盛り上がりがラジオの関係者に伝わった結果、「まったくおもしろくない!」みたいなリアクションをいただいて。なんか頭がウッとなるというか……。

中谷 悪いことしてないはずなんですけどね、心臓がキュッと(笑)。でも、そうやって話題にしてくださっているのはありがたかったです。

(後編に続く)

撮影 飯本貴子
取材・文 森樹

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