“マグロのおすし”と同じ、素材で勝負
――今回、特に「頑張った」と思う写真はありますか?
水色のビキニの写真です。昔ながらのオーソドックスなタイプなんですけど、今の年齢でこれを着られたことには、自分で自分に「頑張ったで賞」をあげたいです(笑)。
衣装はたくさんあったのに、アンディがどうしてもその水色のビキニを着てほしいと言うんです。2ヵ月間お酒を飲んでいたら、着られなかったでしょうね。毎日バレエを踊っても、エステに行っても、それだけでは難しかったと思います。
――ほかに印象深い1枚は?
白いタンクトップを着て、正面を向いて立っている写真ですね。ほかの写真では寝転んだり、いろいろなポーズを取ったりしていますが、そうした写真はポージングのテクニックで綺麗に見せられるんですよ。でも、この写真は素の自分が出てしまうんです。
おすしのマグロのネタみたいなものですね。シチュエーションもシンプルだから、“私”という素材そのもので勝負するしかない。これを見ると、「よくここまで賞味期限を長く保ってきたな」と思います(笑)。
――表紙も素敵ですが、ほかの候補があったそうですね。
そうなんです。足を大きく開いてセクシーな表情をしている写真とか、もっと大胆な写真も候補にあったんですが、刺激が強すぎて手に取りづらいんじゃないかという意見も出て、この形に落ち着きました。
ただ、中身はページをめくるごとにだんだん大胆になっていくんです。そして終盤に登場するサンゴの写真で、一気に最高潮を迎える。
「打ち上げ花火みたいに作ってもらったな」って思います。ゆっくり盛り上がって、いいところでサンゴが来て、最後には余韻も残るっていう。
――22歳になった娘さんがいらっしゃいますが、写真集にはなんて言っていましたか?
実はまだ完成版は見せられていないんですけど、いくつか写真を見せたら「So pretty!(めっちゃかわいい)」って言ってくれました。
娘はアメリカのメディカルスクールに通っているんですけど、同級生の両親はお医者さんばかりなんですよね。お母さんが写真集を出している人なんて、絶対にいないと思います(笑)。面白いですよね。
取材・文/森田浩明/A4studio
■プロフィール
武田久美子(たけだ・くみこ)
1968年8月12日生まれ。1981年、「東大生が選ぶアイドルコンテスト」で優勝し、翌1982年に映画『ハイティーン・ブギ』で女優デビュー。1983年には歌手デビューも果たした。1989年に発売した写真集『My Dear STEPHANIE』の「貝殻ビキニ」で一世を風靡。現在は米カリフォルニア州サンディエゴを拠点に活動し、2026年9月には23年ぶりの写真集『Sango』を発売した。













