撮影最終日の前夜に降ってきた“股間にサンゴ”
1989年の「貝殻ビキニ」で一世を風靡した武田久美子さん。23年ぶりとなる写真集『Sango』では、かつての大胆さをさらに進化させた姿を披露している。
――今回、サンゴで体の一部を隠したカットが印象的でした。あのアイデアはどのように生まれたのでしょうか。
武田久美子(以下、同) サンゴで隠すのは私のアイデアだったんですけど、思いついたのは撮影最終日の前夜だったんです(笑)。撮影前からずっと、なにか斬新な写真が撮りたいって思っていました。
それで、スタッフのみなさんも考えてくれて、影で隠したり、砂で隠したりと様々なアイデアを出してくださったんですけど、どれもしっくりこなくて。
手作りの水着も安っぽくなりそうですし、やっぱり美しく見せたいでしょう? そんなとき、ふと「……サンゴはどうかな?」って思いついたんです。
――やはり、かつての「貝殻ビキニ」を意識したのでしょうか。
それはありますね。私自身、貝殻のイメージが強いことはわかっていますから。何かそれに代わるものを、というプレッシャーはありました。
ただ、同じことをするつもりはありませんでした。貝殻は21歳のときで、今回は57歳。あれから36年も経っていますから、今さら同じことをしたらパロディみたいになっちゃうでしょう(笑)。今の私だからこそできる、美しい写真にしたかったんです。
――そのアイデアを伝えたとき、スタッフのみなさんの反応は?
その夜は、皆でイタリアンを食べていたんです。私は2ヵ月間大好きなお酒を断ち、食事にも気を使っていたので、「なんで最後の夜にイタリアンなの?」って愚痴りたくなるぐらいで(笑)。ひとりだけ、あっさりしたトマトスープだけ頼んで食べていて。
その食事中、向かいに座っていた女性プロデューサーにサンゴのアイデアを話したんです。そうしたら、フォークをポンッと置いて「今から買いに行く」って。夜8時ぐらいでしたけど、食事を切り上げてコーディネーターの方と一緒にサンゴを探しに行ってくださいました。
――翌日の撮影には間に合ったんですね。
そうなんです。撮影地が沖縄県の石垣島でしたから、すぐに手に入ったんですよね。
でも、使ったのはお土産屋さんで購入したサンゴです。自然のサンゴには持ち出しが禁止されているものもあるそうですし、綺麗な形のものはなかなか見つかりませんから。探してくださって、本当にありがたかったですね。













