「結婚は、“究極のボランティア”だなって」
これまで事実婚も含め、5度の結婚を経験した新川さん。改めて「結婚とは何か」と尋ねると、こんな答えが返ってきた。
「私にとって、結婚は“究極のボランティア”だなって。幸せにしてもらいたいから結婚するのではなく、相手のために何かをしてあげたい。そういう気持ちの表れが、結婚なんだなって思っています」
これまでの結婚では、「嫌だったら、手放して次に行けばいい」という意識があったという。だが、現在の結婚生活では、その意識はどのように変わったのだろうか。
「人間関係を上手に継続させるための対人スキルが、私には足りていなかったんだと思います。離婚を経験して、心理学を勉強するようになって、『相手は変わらないもの』『夫婦といえど、所詮は他人』という意識を持てるようになった。そう考えるようになって、自分の言動にも配慮できるようになりました」
これまでの経験を活かし、現在は「家族問題カウンセラー」として活動する新川さん。自身も直面した「ステップファミリー(連れ子再婚)」の課題についてこう語った。
「親から子どもへの虐待事件の背景には、ステップファミリーならではの葛藤や孤独が引き金となって起きているケースもあります。継母や継父が、どうしても子どもをかわいいと思えないこともある。
でも、子育て相談に行っても、『それを覚悟して親になったんだから、かわいがってあげなさい』と言われ、『自分は誰にも救ってもらえない』と自分自身を追い詰めてしまうケースが少なくありません。連れ子再婚の当事者がどんな思いを抱えているのか、世間の理解が少しでも広がっていけばいいなと思っています」
最後に、5度目となる結婚をしてよかったか、新川さんに尋ねてみた。
「私はひとり映画とかひとりご飯とか、ひとりで何かをするのがあまり得意じゃないんです。これから先のことを考えたときに、このままひとりぼっちでいるのはイヤだなって思った。誰かと一緒にいるのが好きだし、家に帰ったとき、電気がついているだけでうれしいって感じる。結婚って、そんなに悪いものではないですよ」
波瀾万丈だった新川さんがたどり着いたのは、結婚生活に理想を求めすぎず、違いを抱えた相手とともに生きていくという考え方だった。
取材・文/木下未希


















