南米を巡る“身体改造のアジア代表”
──今は海外のコンベンションにも招かれていますね。
これまでブラジル、コロンビア、アルゼンチン、メキシコに行き、次はボリビアの予定です。活動の場は主に南米で、向こうでは「アジア代表」と呼ばれています。日本の身体改造の歴史はおよそ30〜40年になりますが、その中で"改造人間"として海外の大きな舞台に招かれた日本人は、僕が初めてだと聞いたことがあります。
──ご自身の身体を「作品」と呼んでいますね。
美術品に近い感覚です。有名なアーティストの作品として残っていくものなので。キャンバスがたまたま自分の身体だというだけで、車をカスタムするのと似ています。僕自身がガト―・モレノの代表作の一つだからこそ、海外のコンベンションに呼ばれるわけです。
──現地の人々の反応はいかがですか。
これまでに訪れたメキシコやヨーロッパでは身体改造の文化が広く知られているので、むしろ歓迎されます。税関で「写真を撮ってくれ」と頼まれたり、レストランで「お会計はいらないよ」とサービスしてもらったりすることもあります。
髙倉が考える身体改造の“第3世代”
──海外では身体改造がひとつの文化になっているわけですが、技術自体は進化しているのでしょうか。
しています。僕は身体改造の技術者を「第1世代」から「第3世代」までに分けて考えています。1990年代末から2000年代初頭の、切断やインプラントといった過激な身体改造を記録した『ModCon: The Secret World of Extreme Body Modification』(邦訳『モドゥコン・ブック』)という本があります。あそこに載っているような、腕や足を切る人たちが第1世代から第2世代の中盤くらい。あのころは実験的でした。
第3世代になって、身体改造と医療が結びついた。ガト―・モレノが医学を熱心に学び、身体改造と融合させたので、少なくとも僕が見てきた身体改造の世界では、最近までメキシコが最先端だったんです。
──髙倉さんの考える「第3世代」の特徴は?
それまでと圧倒的に違う点は4つあります。1つ目は医学的知識を取り入れ、安全性を重視する姿勢。2つ目はSNSを使ったマーケティング。3つ目はより美しく、完成度の高い形と色。そして4つ目が、ダウンタイムの短さです。
──なぜ南米では身体改造が盛んなのでしょうか。
現代の身体改造シーンは欧米で発展してきましたが、南米はあまり注目されてきませんでした。でも実際には、南米では非常にハードな身体改造の事例も見てきました。全身に麻酔を打ち、15人がかりでタトゥーを彫ってもらい、翌日に亡くなった人もいるくらいです。そうした過激なことが行なわれてきましたが、技術者も育ち、技術も進歩してきた。その先に、僕が「第3世代」と呼ぶ身体改造があるんです。













