「なくても生きていけるんですけど、あったら嬉しいもの」

情熱を持って、振付師という道を邁進する槙田。最後に、槙田にとって振り付けとは何かを聞いた。

「私にとってというよりは、世間の皆さんにとって、日常が明るくなるものだと思っています。例えば“このダンスをしてるアイドルを見て、推しになりました”と伝えてくれる方がいたり、“保育園で毎日子どもが踊ってます”と親御さんに言われたり。

ダンスって、日常で必ず必要なものではないと思うんです。なくても生きていけるんですけど、あったら嬉しいもの。私はそれを提供したいという気持ちがあって。

自分が音楽を解釈して、最適と思える振り付けをつけることによって、みなさんの日常が楽しくなったり、推しと出会って人生が変わったりというきっかけになればいいなと思っています」

アイドルとしての葛藤や挫折を経て、自らの「天職」を見出した槙田紗子。彼女が創り出すキャッチーで愛される振り付けの根底には、踊り手であるアイドルへの「ダンスを嫌いにならないでほしい」という深い思いやりと、それを受け取る人々の「日常を少しでも明るく、楽しくしたい」という温かい祈りが込められている。

かつて夢見たステージとは異なる形であっても、槙田は人を喜ばせることを諦めない。彼女のセカンドキャリアという名の「一番かわいい挑戦」は、まだ始まったばかりだ。

取材・文/羽田健治
(撮影/山田智絵)

振付師・槙田紗子(撮影/山田智絵)
振付師・槙田紗子(撮影/山田智絵)
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