震災でカフェを断念……それでも熊本で再び事業に挑むワケ

――その震災から10年。現在は熊本市内で旅館「KAWACHI BASE-龍栄荘-」を経営されています。再び熊本で事業を始めようと思ったのはなぜですか?

震災で志半ばであきらめたカフェも、今回新たに始めた旅館も、もともとは「熊本に恩返しがしたい」という気持ちから始まっていて、移住当初からその思いはずっと変わっていないんです。

スザンヌさんが2025年2月にグランドオープンした旅館「KAWACHI BASE-龍栄荘-」(写真/本人Instagramより)
スザンヌさんが2025年2月にグランドオープンした旅館「KAWACHI BASE-龍栄荘-」(写真/本人Instagramより)

デビュー時から“熊本県出身”ということをアピールして、それをきっかけに熊本のみなさんや、熊本以外の方々からもたくさん可愛いがってもらい、熊本の出身であることに助けられることが多かったです。

だからなにか地元のためにできることはないかなっていうのはずっと考えていたんです。

――ちなみにスザンヌさんのお母さまも地元でバーを経営されていますよね。自分の事業を営むことについて、ご家族の影響もあったのでしょうか。

たしかに、幼いころから母が自分のお店で働いているのを見てきていたので、働きながら輝ける自分だけの場所を持つことに対して憧れがあったのかもしれません。芸能活動を始めても、いつか自分の事業を始めたいと自然と考えていましたね。

あとは、親である私が新たなことにチャレンジして頑張っていく姿を、自分の子どもに見せることも大事なんじゃないかなと思っていて。

「子どもにもチャレンジする姿を見せたい」と語るスザンヌさん(写真/本人Instagramより)
「子どもにもチャレンジする姿を見せたい」と語るスザンヌさん(写真/本人Instagramより)
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いつか親離れ、子離れをお互いしなきゃいけなくなるなかで、私がなにかに打ち込む姿をお手本として見せることで、息子も自分のチャレンジしたいことに一生懸命取り組めるんじゃないかなと思っています。

子どもと同じくらい大事に思える場所を見つけた今、これまで以上に活力に満ちて、日々を頑張れている気がします。

(7月30日取材)

後編では、築70年の老舗旅館再生の舞台裏に迫る。1億5000万円もの自己資金を投じる決断は、なぜできたのか。そして、“おバカタレント”として一世を風靡したスザンヌが、大人になって学び直した理由とは。

≪後編へ続く≫『〈スザンヌ39歳の現在〉築70年の旅館再生に「自己資金1億5000万円」…“おバカタレント”から大学卒業、母になって始めた「学び直し」』

取材・文/瑠璃光丸凪/A4studio