違反した場合は「違反点数6点で一発免停」

やや複雑にも見える今回の法定速度の引き下げについて、弁護士法人・響の古藤由佳弁護士に話を聞いた。

今回の改正に至った背景については次のように説明する。

「近年の状態別交通事故死傷者数を見ると、車道幅の狭い道路における歩行中・自転車乗車中の事故による死傷者の占める割合が、車道幅の広い道路の1.9倍、という調査結果が出ています。このように、今回の改正には、生活道路など特に道幅が狭い道路における歩行者等の死傷者数を減少させる目的があります」(古藤由佳弁護士、以下同)

幅員別・状態別死傷者数(令和7年中)(出典/警察庁HP  https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/seibi2/kisei/zone30/pdf/260709_zone30gaiyou.pdf)
幅員別・状態別死傷者数(令和7年中)(出典/警察庁HP  https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/seibi2/kisei/zone30/pdf/260709_zone30gaiyou.pdf

では、今回の改正によって速度違反の扱いはどう変わるのだろうか。

「今回の改正によって、制限速度が時速30kmになった道路においてこれまでどおり時速60kmで走行してしまうと、違反点数が6点となり、一発免停となります。この場合、6カ月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金となります。

これに加えて、事故を起こした加害者は、被害者に対して、ケガや死亡に対する慰謝料や、治療にかかった医療費、後遺症が残った場合にはそれに対する慰謝料、逸失利益など、莫大な損害賠償義務を負う可能性があります」

速度超過による違反だけでなく、事故を起こした場合の責任も軽くはないという。

写真はイメージです(写真/PhotoAC)
写真はイメージです(写真/PhotoAC)

ドライバーが特に気になるのは、「走行する道路が時速30kmの対象かどうかをどのように判断するのか」という点だろう。これについては次のように説明する。

「ひとつの目安としては、中央線や車両通行帯があるかどうか、です。ある場合は時速30kmの制限対象にはなりませんが、ない場合は要注意です。

このほかの細かいルールや基準を正確に覚えるのは大変ですが、先に述べた通り、今回の改正が行なわれるに至った目的は、車道幅の狭い道路における交通事故の死傷者数を減らすことです。この目的をしっかり認識しておくことで、住宅街や人の行き来が多い狭い道路で気をつける意識を持っていただけたら良いと思います」