「泣いてもOK」『映画アンパンマン』の特別上映
同じくG区分に指定された2026年公開の『映画 それいけ!アンパンマン パンタンと約束の星』では、幼い子どもの「映画館デビュー」を想定し、公式サイトで「大きな声で笑っても、泣いても、途中退出しても大丈夫」と案内している。
上映中の照明は明るめで、音量もやさしく設定され、歌ったり踊ったりして親子で楽しめるパートも用意され、明確に同作を子ども向け作品と位置付けている。
ただし、こうした上映方法が適用されているのは極めて稀であり、そもそもG区分とは、年齢による観覧制限がないことを示すもの。「子どもを主な対象とした作品」という意味ではない。
実際、2026年公開作では、『映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城』『映画クレヨンしんちゃん 奇々怪々!オラの妖怪バケ~ション』『映画 それいけ!アンパンマン パンタンと約束の星』といったファミリー向け作品だけでなく、香港の葬送儀礼や死生観を描いた『旅立ちのラストダンス』や、孤独な老婦人と母を亡くした学生の交流を描く『エレノアってグレイト。』もG区分となっている。
つまり、G区分であることだけをもって、『映画ちいかわ』を子ども向け映画と断定することはできないのだ。
『ちいかわ』は、かわいらしいキャラクターから子どものファンも多い一方、「セイレーン編」には不穏さや恐怖を感じさせる展開もあり、大人のファンからも支持されている。この作品の位置づけの曖昧さが、今回の議論をさらに複雑にしている面もありそうだ。
とはいえ、「子どもも見ることができる作品」と「子どもが声を出してもよい上映」は同じではない。
大手劇場は公式サイトで、上映中に控える行為として、スマートフォンなど光る機器の使用、おしゃべり、前の座席を蹴ること、写真撮影や録音・録画などを挙げている。
では、子どもの来場が多い作品でも、通常上映ではほかの作品と同じマナーが求められるのか。また、上映中の私語や物音によって鑑賞に支障を感じた場合、観客はどうすればよいのだろうか。












