「古都の走馬灯の巻」(ジャンプ・コミックス102巻収録)

今回は、「週刊少年ジャンプ」1996年52号に連載1000回達成記念作として掲載された、『こち亀』ファンには思い出深いお話をお届けする。

本作に登場するマドンナは、旅の芝居一座の娘、橘琴音(たちばな・ことね)だ。

彼女が『こち亀』に登場するのは、実は本作で2度目。本作の舞台は京都だが、かつて浅草を舞台にした「浅草七ツ星物語の巻」(ジャンプ・コミックス76巻収録)に登場し、高い人気を誇った。前作の内容を手短にご紹介しておくと……。

少年時代の両さんは、浅草の遊園地「浅草花やしき」で旅一座の娘、琴音と出会う。座長の娘としてかたくなに演技に取り組む彼女は、両さんと出会ったことで、次第に心に余裕を持てるようになる。2人は日に日に惹かれあうようになるが、やがて別れのときが訪れる。両さんは、琴音と交わした約束をはたそうと……といった案配だ。

両さんの生地でもある浅草は、浅草寺(せんそうじ)の門前町として江戸時代から栄えた歓楽街だ。琴音の一座が生業とするお芝居や、映画、落語、漫才、歌謡ショーなどの興行が盛んに行われ、数多くの飲食店がひしめき合っていた。

ちなみに本作は「週刊少年ジャンプ」掲載時には全26ページだった。しかしコミックス収録時にあたって、琴音が五重塔内で幼少時を回想する4ページが加筆され、全30ページの構成となった。今回は、このコミックス収録版をお届けする。

それでは次のページから、勘吉少年がマドンナとの再会をはたすため、京都に向かうお話をお楽しみください!!