「なつかしの駄菓子屋講座の巻」(ジャンプ・コミックス61巻収録)
今回は、両さんが出生地・浅草の駄菓子屋で、臨時の店番を引き受けるお話をお届けする。
駄菓子屋は、駄菓子をはじめ清涼飲料やアイス、安価なおもちゃやアタリクジなどを商う子供向けの小売店で、店先にはカプセルトイのベンダーやゲーム機などが並べられている。
また、本作中で描かれている「もんじゃ」やカップ麺などの軽食を供している場合もある。学校や家庭とは異なる、子供にとっては「第三の社会」で、そこには独自の文化が形成されていた。
さて、本作をお読みいただく前に、両さんが作中で解説していない駄菓子屋の商品を紹介しておこう。
4ページ下段、店先の左端にぶら下がっているのは、フラフープ。樹脂製の輪を腰の周りでまわす遊びに使う遊具で、アメリカでの流行を受けて1958年に日本に上陸すると、たちまち大ヒット。しかし内臓障害の原因とされ、わずか1年でムーブは収束。実際には病気との因果関係はなかったのだが……。
フラフープの隣にある台は、バネ仕掛けのレバーを使って10円玉を盤面に設けられた坂を転がしていくコイン落とし。途中の穴に硬貨を落とさずにゴールまでたどり着かせると、景品が出る仕組みになっている。極めて単純な仕組みだが、難易度の高いゲーム機だ。
7ページ下段の「魔法の煙」は、指につけてこすると細かな樹脂が空中に飛散して煙が出たように見える薬剤だ。「シーモンキー」は、エビのような姿をした全長1センチ程度のアルテミアという水棲の生き物の卵と、その飼育セットだ。
……キリがないので、このへんにしておこう。それでは次のページから、昭和感ただよう駄菓子屋文化をたっぷりとお楽しみください!!