“運命”で“必然”の出会い
――かなり達観した意見だと感じますが、「芝居の世界は勝ち負けではない」との気づきはいつ頃でしたか?
『家政婦のミタ』(日本テレビ)で初共演させていただいた平泉成さん、映画の『ポプラの秋』で共演させていただいた中村玉緒さんなど、ポイントポイントで出会えた方がたくさんいました。
特に平泉さんは初共演から数年後、中学生のときにもう一度共演させてもらったんです。その頃、ちょうど中学から高校に上がるタイミングでした。
「フィギュアも大好きだし、お芝居も大好きだけど、このまま両方を続けていいのかな」という相談をしたら、平泉さんは「好きなことをたくさん見つけられるって、すごいことなんだよ。何を好きなのかがわからない、という状態だってあるけど、望結ちゃんは好きなことをこれだけたくさん見つけられたんだから、周りの目は気にせずに、自分がやりたいなら続けるべきだよ」って伝えてくださって。
そんなふうに、(人生の)分岐点で出会えた方がたくさんいて、その皆さんには感謝しています。皆さんの言葉がなかったら、自分の気持ちを押し殺して、いまとは違う選択をしていたかもしれない。
それは絶対に後悔につながっていたと思うので、本当にまわりの方に恵まれていて、いいタイミングでいい方に出会えたと思っています。
小さい頃は、そういうのを“運命”だと思っていましたけど、いまでは“必然”のように感じますし、そういう出会いは常に大切にしていきたいなって思っています。
――お名前の「望結」の由来は、「望んだことがすべて結ばれるように」という意味だそうですね。“いい出会い”を引き寄せる秘訣はありますか?
結果論にはなっちゃいますけど、やっぱりこれまでに学んだことすべてが結ばれているのは間違いなくて。それが成功かどうか、って言われると難しいけど、今の自分にすべてがつながっているのは、名前の通りになっているなって思います。
“必然”という言葉が好き、という部分にもつながりますけど、「生まれたときから、自分の人生は決まっていたのかな」っていう気もします。
だからこそ、将来のことを考えても怖くないというか、きっといいタイミングでいい出会いがあるし、きっといいタイミングで“頑張るための壁”が出てくると思えていて、どんな状況に置かれても、怖さよりわくわくする気持ちのほうがすごく強いです。
引き寄せるパワーとかは意識したことがないですけど、ひとりがすごく苦手で、常に誰かと話していたいので、そういう性格だからこそ深く相談できるお友達や先輩方に出会えているのかもと感じています。
――ちなみに、今年の春からひとり暮らしを始められましたが、順調ですか?
順調だと(自分に)言い聞かせています(笑)。でも、やっぱり7人家族で過ごしていたので、どうしてもひとりが怖いというか、ドキドキして、全然慣れないです。
もしかしたら、ひとり暮らしは向いていないかもしれないですね(笑)。ひとり暮らしでやってみたいことが夜更かしだったんですけど、いまも規則正しく夜10時には眠たくなってしまって、ぜんぜん夜更かしができないんです(笑)。
取材・文/佐藤麻水
撮影/飯岡拓也