教育委員会が行った里子への聞き取り調査の結果は

——聞き取り調査の対象と経緯について教えてください。

「Aさんご夫妻、子供たち(小中学生)、実親さんに聞き取りを行なってきました。子供たちには『里親宅での困ったこと、暴力を受けたことがあるか、相談できる人はいるか、学校生活はどうか、里親との生活は楽しいか』を個人面談で聞きました。
同時に留学生全児童・生徒を対象にしたアンケートも4月から行なってきましたが、問題と思われる回答は今のところはありません。Aさん方で暮らしているお子さんたちは全員『楽しいし、残りたい』とのことでした」(壱岐市教委)

「Aさんご夫婦と壱岐の他の里親さんたちにも聞き取りをしています。今後の離島留学がどうすれば子供達にとって良くなるか検証するためです。生徒については、離島留学検討委員会で作成したアンケートに回答してもらっています。今後は壱岐市に部会を設けてアンケート結果を検討していきます。
Aさん方で暮らしていた高校生への聞き取りは3月までは行っていましたが、新学期に入ってからは事実確認と生徒の心のケアについてどう進めていくか検討しているところです」(長崎県教委)

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里親Aさんはさまざまなイベントを企画して里子たちを楽しませていた

——Aさん夫妻は里親として除籍をされていますか。

「いいえ、していません。児童相談所や警察から著しい問題があると報告があれば考えなければいけませんが、今のところそういった情報はいただいておりません」(壱岐市教委)

「除籍にはなっていません。特に受け入れられない状態ではありません」(長崎県教委)

——Aさんご夫妻による「虐待はなかった」という判断をされたのでしょうか。

「虐待に関しては調べている機関が違いますが、子供たちや実親さんには確認をして今後も引き続きお願いしたいという意見でしたので、継続されています。虐待に関しては警察の聞き取りで問題はなかったと聞いておりますので、それに基づいて進めております」(壱岐市教委)

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隼都さんの誕生日の様子。他の里子たちにも親しまれていたことがうかがえる

「事実関係の聞き取りですので、そこら辺を含めて今度の壱岐市での部会で、みなさまと意見交換をして確認していくという作業になります。虐待問題の調査の詳細は警察で行ない、実際に聞き取った内容は私たちも把握しておりますので、それをもとにこれからどうするかを壱岐の部会で検討していきます。
現時点では、除籍や受け入れの基準を判断するところではないということです」(長崎県教委)