「隼都はゲームへの依存がひどかった」
――お金のために留学生を受け入れていたとの意見もあります。委託料の使い道は?
贅沢なんて全然ですよ。ほぼほぼ残らないですから。一番大きいのは食費ですね、高校生になったら給食ではなくお弁当ですからね。あとは送り迎えの移動費とか。
少し残った分があっても、みんなで使う机や、みんなで使う道具を買うのに使ってました。あとは全員自転車があるんで駐輪するためのスペースの改築に使ったりもして、生活水準を上げるのに使いました。
――文春ではお弁当が夕食の残り物だとか、8~9割が米だったみたいに書かれていましたが。
晩ご飯はみんなに腹いっぱい食べてもらうために作ると、バイキングのように大皿で料理を出すようになるんですけど、そうすると残ることがあるんですよね。そうなると翌朝に朝食でそれを食べたりとか、お弁当にすることはありましたよ。
――隼都くんはゲームが好きだったんですか?
隼都はうちに来る前はゲームの依存がひどかったんですよ。だからeスポーツの大会が島で行われた時なんかは凄かった。何年もやってないのに元々やってたゲームがあるとすごく上手でした。
うちに来てからは、隼都はスマホにはゲームアプリをひとつも入れていなかったし、うちにあるビデオゲームも隼都は全然やっていませんでした。やり出すと止まらなくなるから、我慢してたんだと思います。
――元々スマホも依存してしまうからという理由で、自分から預けてたんですよね。
そうです。そもそも『いきっこ留学制度』のルールの中で、中学生まではスマホを持たせないという決まりがあるんです。もし実親に電話をしたければ里親に電話を借りて電話するとか、それに基づいてやっていただけなんですよ。
隼都は高校生になってスマホを持つかと思ったら、依存したくないからという自分の意思で預けていたということです。
――日常的に暴力や暴言はあったんですか。
うちには高校生は3人いて、下の子たちをリードしてくれよ、なんて話もしてました。寄り添っていたからこそ叱るところではハッキリ叱るし、いろんなところに連れて行ったり、可愛がる時は可愛がるし、そんな中で日常的に手を上げてたと言われるとびっくりしますよ。
隼都が自殺したいと言った時に、一度手を上げてしまったことはあります。「もっとしっかりしろ」ってビンタして体を揺すって。
これは関係各所にも報告しているし、警察にも言いました。そういう風に考えないようにしてあげたいっていうのもありますし、強く生きようなって話もたくさんしましたね。
隼都は褒められるのが大好きだったんですよ。その代わり怒られてしまうとすごく落ち込む子でした。その落ち込みで「もう自殺したい」とか「僕なんて生きてなくていいんだ」って自虐に入ってしまって、自分の頭を殴ったりしてた時もありましたから。