問題の動画を投稿したのは、キプロス出身で現在はアメリカ・ロサンゼルスを拠点に活動するYouTuber、フィディアス(Fidias)、27歳。YouTubeのチャンネル登録者は238万人以上で、総再生回数は約5億再生の人気YouTuberだ。
フィディアスは10月21日に「無料で日本中を旅しました」というタイトルの動画を投稿(現在は削除済み)。動画ではフィディアスと他の参加者3人が、誰がいちばん早くお金を使わずに、長崎から青森まで移動できるかを競う企画が行われた。
また外国人YouTuberが日本でお騒がせ! “新幹線トイレ籠城”で長崎~岡山をタダ乗り。駅員たちに聞いた外国人の無賃乗車事情「言葉と文化の壁も大きくて…」
騒動の発端は10月21日、YouTubeにて投稿された「I Travelled Across Japan For Free(無料で日本中を旅しました)」というタイトルの動画。動画内では外国人YouTuberが新幹線に無賃乗車したり、ホテルで無銭飲食する様子が映されていた。これを受けて、SNSでは「もう日本に来るな!」という批判が相次ぎ、炎上状態となっている。
新幹線のトイレにこもって無賃乗車

YouTuber、フィディアス
しかし、フィディアスは「無料で電車に乗る方法を教えます」と、西九州新幹線「かもめ」に乗り込むとすぐさまトイレへ。そのまま閉じこもって目的地に到着するも、待ち構えていた駅員から乗車券の提示を求められてしまう。すると、フィディアスは仮病を言い訳に時間を稼ぎ、駅員が警察を呼ぶ隙をついて逃走に成功。
さらに、新大阪行きの新幹線でも、同じ方法でまんまと岡山まで移動していた。
動画ではフィディアスだけでなく、他の参加者も同じように新幹線のトイレに閉じこもり無賃乗車を行っているが、フィディアス同様、悪びれている様子はない。
無賃乗車は当然、立派な犯罪行為だ。しかし、外国人にとってそのあたりの犯罪意識は希薄なのだろうか。

駅員に取り囲まれると仮病をつかい、その隙をついて逃走
利用客の多い都内の駅で働く20代の駅員たちに実情を聞いた。
「外国人の無賃乗車はたまに見かけます。先日はストリート系のファッションで見るからにヤンチャな外国人が、自動改札に引っかかっているのに平然と通過しようとしているのを見ました。ただ、言葉の壁のせいでこちらの言いたいことが伝わりきらなかったり、母国語でまくしたてられると対応が難しいんですよ。
実際、声をかけたのに自分のことだと思わなかったのか、そのまま立ち去ってしまった人もいました。無理に追いかけて改札を無人にしたら他のお客様にも迷惑がかかりますし、言葉が通じないまま、揉めごとや警察沙汰になれば報告書の提出とか他の仕事が増えてしまうんで、無理はしないというのが本音です」(20代・男性駅員)
本当に悪意なくやっている外国人も…?
また、「文化の違いから故意かどうかの判断が難しい」と嘆く駅員も。
「切符を持った人の後ろに引っついてそのまま改札を通ろうとする外国人は何度か見たことがあります。
日本人なら『ダメに決まってるだろ』となりますが、外国人は意思疎通が難しく、こちらも相手の国の文化を知らないので、そういう意味でも対応の難しさを感じます」(20代男性駅員)
昨今は外国人観光客などの利用が少ないような駅でも、同様のトラブルが起きているという。
「故意かどうかはわかりませんが、ICカードや切符を持っているのに改札を通さずに電車に乗ってしまう外国人もいます。外国の鉄道と勝手が違うだけかもしれないので、強く責めることはありませんが、ルールくらいは知っておいてほしい」(前同)

※写真はイメージです
他にも、ICカード残額や切符料金が足りないのに、「クレジットカードしか持ってない」とゴネたり、「クレジットカードで決済できないのが悪い」と逆ギレされたこともありますよ」(20代・男性駅員)
10月24日、批判を受けたフィディアスは問題となった動画のコメント欄にて、「日本のみなさんにお詫びします。もし嫌な思いをさせてしまったのなら、それは私たちの目的ではありませんでした。これからは私たちが行く国の文化についてよく調べ、このようなことが二度と起こらないようにしようと思います」と謝罪と反省を述べている。
まるで自分の国では無賃乗車が犯罪ではないような言い草だが、長崎から岡山までの距離を特急列車で移動して無料の国などあるはずがない。再生数欲しさが、罪の意識をうわまってしまったということか。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
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