(年金額-生活費)×生存年数=準備しておく金額

冒頭で試算した年収400万円の人の場合の年金額(約161.3万円)を例に使うと、以下の通りです。

「161.3万円 × 70% = 約113万円」

ひと月換算すると約9.4万円となります。もし、配偶者も同様の年収であれば18.8万円(9.4万円×2)となります。

もし、このご夫婦が生活していくために必要な金額が23万円であれば一月あたりの不足額は4.2万円となります。年間50.4万円ですので、あとは生存年数を掛けると不足額が出てきます。

老後2,000万円問題のレポートは30年間で試算していたので、同じ条件で計算すると約1,500万円(50.4万円×30年)となります。

また同レポートを読んだ方はご存知だと思いますが、老後2,000万円問題の金額は介護費用などを含まない金額なので実際はプラス1,000万円ほどを準備する方が望ましいです。ですので、年収400万円の共働き世帯であっても2,500万円ほどは準備しておく必要があると言うことになります。

このようにご自身の家族構成や働き方によって年金額が異なるため、まずはご自身の年金額を試算し、その不足額を把握しましょう。その上でどれくらい投資をするのか、または長く働き年金を繰下げ受給するなどの対策を考えることが大切です。

文/井上ヨウスケ