FIRE資金の目安は生活費の25倍

気になるのは、FIREするためにいくら準備しておくべきかということだろう。目安は「25年分の生活費」といわれている。ただし、25年分といっても運用によってリターンを得られるため、消費した分のお金が減って、ちょうど25年後に尽きるわけではない。

FIREには「4%ルール」といって、投資によって得られる運用益は年約4%だという定説がある。これは、米国市場の成長が年約7%であるのに対し物価上昇率が年約3%であることから、差し引き年約4%が利益として得られるという理論に基づいている。

日本は米国ほど物価上昇率が高くないが、米国に投資した場合には為替によって利益が変動する可能性がある。そのリスクを考慮し、日本で得られる利益も4%程度と考えていいだろう。つまり、生活費を4%の運用益内に収めれば、実質的に資産は目減りしない。

必要な投資元本はどのように計算するかというと、年間生活費が資産の4%に当たるよう逆算すればいい。「投資元本(100%)÷年間生活費(4%)」で、投資元本は年間生活費の25倍に当たる。これが「25年分の生活費」の根拠だ。

例えば、年間生活費が300万円(月25万円)なら、必要な投資元本は7,500万円。節約により年間生活費を250万円に抑えた場合は、6,250万円となる。

とはいえ、25年分の生活費を用意するのは簡単ではない。20年間で6,250万円を築くには、年率4%で運用するとしても月約17万円の投資が必要になる。

そこで考えたいのが、少しだけ勤労収入を得る「サイドFIRE」という選択だ。