24時間テレビへの想い

なぜ彼はダンスや歌といった、あえて音を伴う表現方法を選び続けるのか。

「『工夫すればあれもこれもできる』ということを証明できると思えたんです。僕にとって難聴は武器のようなもので、神様からの贈り物だと思っています。難聴の自分がダンスや歌を発信することで、誰かの何かに繋がるかもしれない。そう思うと、歌うことも踊ることもきっと意味があると思うので」

誰か1人でも自分の活動を通じて勇気や希望を感じてもらえたら——そんな思いを胸に、2025年には1stシングルを。次いで出した2nd シングルではラップにも初挑戦した。たくさん練習を重ね、試行錯誤して作り上げたオリジナルソング。宝物たちを語る彼の表情はにこやかだ。

今後の目標を尋ねると、「大きな会場を借りてライブがしたい」という思いとともに、意外な答えが返ってきた。

「24時間テレビに出たいと思っているんです」

昨年と今年、自ら手紙を書き、CDを添えてレターパックを送ったというが、まだ実現には至っていない。

「障がいを持った人たちの努力をいろんな人たちに紹介するテレビ番組といえば、『24時間テレビ』ですから。僕たちにとっては影響力は大きいです。

なので、難聴の自分が出て、これまでに至った経緯や、今の活動を知ってもらったら、もっといろんな人に希望や感動を与えられるんじゃないかなって」

SNSでの発信にとどまらず、彼はどんどん羽を広げていく。「自分と同じ経験を持つ人たちに勇気を届けていきたい」そう語る難聴ゆうきさんの挑戦は、まだ始まったばかりだ。

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音楽を楽しんでいる難聴ゆうきさん(写真/廣瀬靖士)
音楽を楽しんでいる難聴ゆうきさん(写真/廣瀬靖士)
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取材・文/木原みぎわ

(写真/廣瀬靖士)