「ひっどい音痴」と笑われ、大好きな歌に蓋をしたあの日

先天性難聴という障がいを持つ、耳が聴こえないダンサー・難聴ゆうきさん。学生時代は特別扱いをされたわけではないが、傷ついた経験があると明かした。

「高校の頃、校歌斉唱のときに大きな声で歌わないといけなかったのですが、『ひっどい音痴』と友達に笑われたんですよね。そこで初めて、難聴であることにネガティブになってしまいました。

音はほとんど聴こえなかったけれども、歌うことはもともと嫌いじゃなかった。むしろ好きだったんです。でも歌声を聴いた人からいろいろ言われるのが嫌で……それからは歌うことに蓋をするような、封印する感覚でした」

高校時代の経験について語る難聴ゆうきさん(写真/廣瀬靖士)
高校時代の経験について語る難聴ゆうきさん(写真/廣瀬靖士)
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その経験が影を落とし、以来、人前で声を出して歌うことから距離を置くようになった。

そんな後ろ向きだったゆうきさんが、歌うことに挑戦しようと思ったのは2022年のこと。きっかけのひとつには、ダンサーとしてだけでなく歌手活動にも挑む三代目 J SOUL BROTHERSの岩田剛典の存在があったという。

「当初パフォーマーだった岩田さんが、歌も歌い始めたことに憧れました。自分もやっぱり、歌ってみたい。僕にしかできない表現がきっとある。難聴の僕が自分の声で歌うことで誰かに感動や希望、勇気を与えられる。同じように悩む人たちにとってのヒーローになれるんじゃないかと思ったんです」