「祈祷のために油を」国宝を汚損か
奈良・薬師寺の大講堂に安置されている仏足石(ぶっそくせき)は、釈迦の足跡を石に刻んだもので、753年に制作された。日本に現存する仏足石のなかでは最古のものとされ、1952年に国宝に指定された。
ツァイ容疑者は、今年4月6日の午後1時20分ごろ、観光で薬師寺を訪れた際、仏足石に液体をかけて汚損した疑いが持たれている。
薬師寺の担当者は、事件発覚の経緯を明かす。
「汚損された数日後に、職員が今までなかったシミを発見しました。ただ、その時点では何が付着していたのか分かりませんでした。国宝なので、文化庁さんに依頼して成分を調べていただき、警察にも相談して、境内の防犯カメラ映像を提出しました」
ツァイ容疑者は、液体をかけた翌日には台湾へ出国していたが、警察は防犯カメラの映像などからツァイ容疑者を特定。仏足石に付着した液体からは、グリセリンが検出された。
警察の調べに対し、「感動したものに油をかけて祈祷するので、仏足石にも油をかけたと思う」と供述。さらに、過去にも別の場所で祈りのために油をかけたことがあるという趣旨の話をしているという。8月に日本に再入国した際にも、祈祷に使うための液体を所持していたことが判明しており、警察は、他の場所でも同様の行為がなかったか調べている。
前出の薬師寺担当者によると、過去にも奈良県内の神社仏閣で同様の被害が確認されており、今回の汚損を受けて、国宝である仏足石と拝観者の距離を見直したそうだ。
「以前から直接触れられないようには配慮していましたが、(仏足石に彫られているお釈迦さまの足跡は)性質上、薄くて近くに行かないと見えにくいということで、できるだけ近くで見てもらえる位置に柵を設置していました。
ただ、今回のことがあったので、以前よりも仏足石を囲う柵の距離を広げました」(同)












