「五輪男(オリンピックボーイ)・日暮巡査の秘密!の巻」(ジャンプ・コミックス62巻収録)

今回は、4年に一度だけ覚醒する超能力警官・日暮熟睡男が新紙幣の流通など、時の流れに伴う変化の数々にとまどうお話をお届けする。

本作が描かれたのは1988年。1984年の夏に覚醒し再び眠りについた日暮は、同年11月1日から発行されている紙幣……通称「D号券」の存在を知るよしもなかった。

ちなみに、前代の「C号券」からの絵柄の変更は、一万円札が聖徳太子→福澤諭吉に、五千円札が聖徳太子→新渡戸稲造に、2000年から登場した二千円札が守礼門(人じゃない!)、千円札が伊藤博文→夏目漱石に、といった案配だ。

わずか4年とはいえ、時代は常に動き続けているもの。本作が描かれた1988年、日本はバブル景気に突入しつつあり、東京の土地価格は天井知らずの高騰を続けていた。日暮が買っておいた土地価格の上昇ぶりなども、時間を飛ばして生きているためピンと来ないだろうが……。

また日暮は後の登場話で、消費税を理解できずに買い物で一悶着を起こしている。

「忘れて!日暮くん…の巻」(ジャンプ・コミックス81巻収録)より。1992年に覚醒した日暮は1989年に導入された消費税を知らずに、至るところでブチ切れまくり!
「忘れて!日暮くん…の巻」(ジャンプ・コミックス81巻収録)より。1992年に覚醒した日暮は1989年に導入された消費税を知らずに、至るところでブチ切れまくり!

それでは次のページから、時代のギャップに翻弄される日暮が巻き起こす騒動をお楽しみください!!