「植木警視正の退職の巻」(ジャンプ・コミックス34巻収録)

今回は、エリート警察官・植木が懐かしのおもちゃを商う職へと転職をめざすお話をお届けする。

レトロな漫画や玩具を扱う古物商市場は、もともと強いこだわりやコレクター気質を持つ客を相手にしているだけあり、現在でもかなり活況にあるといえる。

漫画古書店としてスタートした「まんだらけ」が希少な古本や古い漫画原稿、玩具などに片っ端から高値をつけてレアもの=高額で当たり前という市場の風潮を築きながら成長。1987年には株式化、その後は全国に販路を広げ、近年では秋葉原に8階建ての自社ビルを打ち立てている。

また、ゲームやCDの販売を行っていたリサイクルチェーンと通販ベンチャー企業によるネットショップ「駿河屋」は、さまざまな中小企業を吸収しながら、リアル店舗を含めて販路を成長させている。

なお、本作が描かれたのは1983年。マニア相手のホビーグッズを扱う店は、まだまだディープで小規模なものばかりだった時代だ。

後年の、懐かしおもちゃ販売業の成長を考えると、本作のゲストキャラ・植木の着眼点は確かだったといえる。しかし、リサイクルショップが台頭し、ネットでの通販や個人間売買が普及した近年まで商売を続けられたかどうかは、不明だ……。

それでは次のページから、きまじめなエリート警察官が、懐かしおもちゃ販売業にチャレンジするお話をお楽しみください!!