腐敗が進行しており死因は特定できなかった
起訴状によると内田被告は昨年10月、元ホストの小山被告と共謀し名古屋市中区にある阿部光一さんのマンションの自室で、阿部さんの遺体を寝室のクローゼットに遺棄した罪に問われている。
元キャバクラ嬢だった内田被告がホストクラブに入り浸り、お気に入りの小山被告をナンバーワンホストにしようと多額の現金を消費したことが明らかになっており、事件の構図を読み解くにはその「原資」の存在が鍵になる。
集英社オンラインでは事件発生から両被告の逮捕、起訴に至るまでを丹念な取材で追いかけ、「原資」が変死を遂げた阿部さんの資産であり、運転資金であったことを炙り出してきた。これまでの報道でその経緯を振り返ってみよう。
阿部さんは昨年9月末に姉がその元気な姿を確認していたが、その後、阿部さんのLINEアカウントからメッセージが届くものの電話では声を確認できず、不審に思った姉が11月20日に行方不明届を提出し、翌21日に愛知県警中署員が阿部さんの遺体を発見した。
遺体は全裸で毛布に包まれ、頭にはビニール袋、手首はロープで縛られていた。寝室の出入り口のドアは外側から粘着テープで目張りされ、玄関ドアは施錠してあった。県警は元従業員の内田被告が2000万円もの売上金を横領していた事実などを掴み、同24日に死体遺棄容疑で逮捕。
司法解剖の結果、阿部さんは死後1ヵ月半から2ヵ月が経過して、遺体は腐敗が進行しており、死因は特定できなかった。県警は当初から遺体の発見を遅らせるために内田容疑者がLINEを使って阿部さんの生存を偽装した可能性もあるとみて追及していた。