「基次だ。知ってるやつだ」

川湯温泉街で飲食店を営む店主は、父親が佐藤容疑者と飲み友達だったとのことで当時のことをよく知っていた。

「事件の報道を見て親が『基次だ。知ってるやつだ』って言っていたので話は聞いています。もともと旅館の番頭をやっていたので、近所で顔だけは知っているという人は多いそうです。番頭ってカウンターだけでなく旅館の前に立って車の誘導なんかもやるので、行き交う町の人は顔見知りだったりするんですよ」

高級旅館の番頭として働いていた佐藤容疑者は、仕事が終わると夜な夜な温泉街で飲み歩いていたようで、この飲食店店主の父親もたびたび飲み屋で顔をあわせていたという。

「当時は羽振りがよかったようでかなりのお金を使っていたようです。スナックとかに頻繁に飲みに来ては、スナックで働いている女性を連れて帰ることもあったみたいです。そのころは家族がいたのかどうかは知りませんが、旅館組合が共同で借り上げている寮のような集合住宅に住んでいたそうです。飲み屋では評判がよかったという話ですが、番頭の給料では払えないようなお金の使い方をしていたため“よくない噂”も聞きました」(前出)

川湯温泉の源でもある硫黄山
川湯温泉の源でもある硫黄山

そうした“噂”が広まった後に川湯温泉街から姿を消した佐藤容疑者だったが、その後も弟子屈町内では暮らしていたようだ。近隣の住民が語る。

「施設に入る前は川湯温泉街からも近い距離の町営の住宅で暮らしていました。いつのころかはわかりませんが、奥さんも子どももいなくなっていて独り身だったと聞いています」