3月14日の摘発現場に居合わせた店舗責任者は当日の様子をこう証言する。
「20時すぎ、20人ほどの私服警官がドッとお店に入ってきて『動くな』と言われました。警察官から、『店長は誰ですか』と言われたので私が出向くと『あなたたちは接待をしてますか』と言われ、お客さんにも『あなたは接待を受けていますか』というような質問をしていました。皆が曖昧な返答をしましたが、こういう罪名ですからと、風営法違反と書かれた逮捕状を見せられ、その場で手錠をはめられました」
SOD LANDは摘発当時、飲食店届出で営業をしていたため、その接待行為が風俗営業法違反(無許可営業)であるとされ、まず店舗責任者が新宿署に連行、10日間ほど拘留された。その翌日、東京都・中野区にあるSOD本社にも新宿署からの家宅捜査が入り、当時のSOD代表取締役社長も同様の罪で逮捕された。
SOD LANDの、新たな運営会社SAKAYA PROJECT株式会社の代表、高岡哲也氏(41)も、実は摘発当日には歌舞伎町周辺にいたという。高岡氏は摘発前までは運営には携わっていないものの、摘発前の状況はSODグループとして把握していたそうだ。
以下、高岡氏とのやりとりをお届けする。
接待行為の認識の甘さがあった
――当日は店に行く予定があったと?
高岡(以下同) たまたま近くにいたので、あとで寄ろう思っていたら、知人から「LANDが閉まってるよ」とLINEを受けたので「そんなはずない」と思い、向かいました。するとCLOSEの看板が出ており、中を覗くと私服警官らしき人が数十名見えました。実はそれまでにも2回、新宿署からの指導が入っていましたが、その時とは比べ物にならないくらいの大人数が入ってる様子だったので「これは摘発かもしれない」と思いました。
――摘発が入ることは知らなかったということですね。摘発前に入っていた2度の指導とはどのようなものだったのでしょうか。
オープン当初は、“セクシー女優を中心とした風俗嬢とも会って話せる場”というのがコンセプトだったため、2階には有名風俗嬢が、3階にはセクシー女優がUの字のカウンターに入り、3、4人のお客さんを相手に話ができる構造でした。指導内容はこのテーブルと椅子のレイアウトが飲食店届出では違反になる、という指導でした。その指導を元に、Uの字のカウンターをIの字のカウンターに変えたりと、工夫をしてきました。
――二度目の指導も同じような内容だったのですか。
そうです。やはり店の構造やメニューに関する指導です。同じように「飲食店届出では違反になる」と言われました。
――警察としてはこの店の造りでは飲食店の届出の範疇を超えるので、風営法の届出を出すように、という指導だったように見受けられますが、なぜ二度の指導を受けながらも風営法の届出を出さなかったのでしょう?
これはSODグループの共通認識で、この店はセクシー女優たちの副業や、引退後の第二の人生のサポートの場にしたり、もしも将来的に独立するならその支援をする足がかりにしたかったのです。
だからこそ“風俗営業の店ではなく飲食営業の店”であることにこだわりたかった。でも今にして思えば、一方的な勝手な思いやりというか、思い上がりだったのではないかと反省しています。
――ならば単純に飲食営業に特化すればよかったのでは?
そこは、やはり我々エロ屋がやるからにはお客さまを最大限に楽しませたいという思いがあったんです。例えば、お客さまの乳首に直接触れるのではなく、孫の手で触れるメニューならアリなのではとか、お客さまはセクシー女優との会話を楽しみにしているだろうから、ゆっくり喋れるようなカウンターの造りにしたりなどと、ギリギリを攻めたい思いがありました。
どこか感覚的に麻痺してしまっていたことや、接待行為の認識の甘さもあり、私自身もSODグループの一員として、改めて深く反省しています。