「私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない?」

一方、沙喜容疑者の高校時代の1学年上だった先輩女性は「あいつはとんでもない女やった」と一刀両断した。付き合っていた彼氏を奪われたというのだ。

「もともと中学時代からお互い『共同作業所』に通っていたし、家も近かったから、話したことはないけど沙喜とは顔なじみでした。高校に沙喜が後輩として入学してくると、美人でスタイルもいいから、私の学年でも彼女の存在はすぐに有名になりましたね。それこそ廊下ですれ違っても、いつも両隣には友達らしき女の子がいるような感じで…。いわゆる”人気者”って感じで、ちょっとうらやましく感じていました」

かつて一家が住んでいた集合住宅(撮影/集英社オンライン)
かつて一家が住んでいた集合住宅(撮影/集英社オンライン)

ところが入学からしばらく経ったある日、異変が起きる。

「沙喜が私のクラスにいきなりやってきて『私、あなたの彼氏と付き合いたいから別れてくれない』とケンカを売ってきたんです。『はぁ、何言ってんだコイツ?』と、その場で言い合いになりましたけど、結局、美人でスタイルのいい沙喜に彼氏を取られてしまって……。その一件以来、彼女のことは大嫌いになったんですけど、また半年後ぐらいにその男が『沙喜に捨てられたからもう一度付き合ってくれ』と言ってきて、ヨリを戻すことになりました。ところがそのまた1年後くらいに『彼氏と別れてくれない?』と沙喜がまたケンカを売ってきて。あの女は本当に付き合う気があるんじゃなくて、『ただ他人のモノを欲しかった』だけなんじゃないかと思います。私の他にも、似たような被害にあってる子もいましたし……」

「とんでもない女」に引っかき回された高校時代を思い出し、この「先輩」の声は怒気をはらんできた。

「とにかく沙喜は『都合がいいように使えるやつは使う』という態度で、人によってキャラを使い分ける子でした。同じクラスの友達とは仲良く接していたけど、私にはこんなひどいことをして……二度と関わりたくないです」

感情も欲望もコントロールできないまま、親になってしまったのだろうか。被虐と加虐の連鎖はいつ始まり、いつ終わるのか。取材を進めるほどに深い沼にハマっていくような感覚はおいそれとは消えない。

修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン)
修くんの遺体が遺棄されたと思われる現場(撮影/集英社オンライン)
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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